2020年を一言で表すなら?と聞かれたら、私は真っ先に「コロナ」が出てくる。おそらく、去年一年間で一番言った言葉であり、聞いた言葉だろう。
コロナの影響で授業がオンライン化やサークル活動が中止となり、友達と会えない日々が続き、ストレスを感じる時もあった。だが、私にとってコロナによる自粛期間は、自分自身を見つめ直す良い機会になったと感じている。自由に行動できないからこそ今できること、今しかできないことは何だろうと考えるようになった。

新型コロナによる自粛が、お金の使い方を見直すきっかけに

その一つとして、私は新たに読書を始めてみようと思い立った。
何かに取り付かれるようにフラッと近所の図書館に行き、勢いで10冊ほど本を借りた。
10冊借りたは良いものの、なにせ私は昔から大の本嫌いである。だからその10冊すべてを読み切れるはずがなかったが、その中の一冊だけ読み切ることができた本がある。
それは堀江貴文さんの「『ゼロ』何もない自分にちいさなイチを足していく」という本である。この本は私の生き方について、多くのアドバイスを与えてくれる本であった。

特に考えさせられた部分は、堀江さんのお金の使い方についての部分である。
堀江さんは「今しかできない経験をするために、貯金ではなく自己投資するべきである」と書かれていた。そこで、自分のお金の使い方について振り返ってみることにした。

高校時代のお小遣い制度が、私を「どケチ」にした

私は自他共に認める「どケチ」である。
とにかく無駄遣いはしない、必要最低限の物しか買わないというスタンスで今まで生きてきた。私のこのどケチ金銭感覚の形成について振り返ってみると、高校時代のお小遣い制度が大きな影響を与えたのではないかと考えた。
私の高校時代は、3年間分のお小遣いを一度にもらい、そのお金を3年間で計画的に使うというお小遣い制度であった。
そこで母は、頻繁に「お金は良く考えて使いなさい」「計画性をもってお金を使いなさい」と私に言っていた。私はその忠告を理解したつもりでいた。

3年間分のお金はかなり大金だし、元々無駄遣いをするタイプの人間ではなかったため、何も考えなくても普通に使っていれば、お金は無くならないものだと思い込んでいた。
しかし、高校1年生の私は大好きなアイドルのライブや握手会に行くために、かなりの大金を費やした。アイドルに会うことが生きがいであり、勉強や部活を頑張れる力の源となっていた。
その調子で1年間アイドルにお金を費やした結果、高校2年生になる時点ですでにお小遣いの半分を切っており、その少なさに衝撃を受け、そこから本格的な節約生活に入った。
例えば、飲み物は買わないために絶対に水筒を持参し、学校の最寄から2駅先の場所で放課後遊ぶときに友達は皆電車で移動するが、私一人徒歩で移動することも多かった。
このような生活を続けた結果、どケチ金銭感覚が形成されたのである。
大学生になり、自分でバイトをして自由に使えるお金が増えたため、高校生の時よりは節約生活は落ち着いた。だが、今でも水筒は必ず持参、できるだけ徒歩や自転車での移動を心がけており、どケチ金銭感覚は健在である。
このように節約生活をしていたことで、貯金=善の行動という考えに自然となっていた。

自分がやりたいことを挙げたら、思いがけずたくさんあった

だが、堀江さんの本を読み、貯金も必要だが、自分のためにお金を使うこともそれ以上に大事なことだと考えさせられた。

したがって、2021年私の宣言は、「我慢せず、自分のためにお金を使う」にしようと思う。
この宣言を実現させるために、2021年元日に「やりたいことリスト100」を作成してみた。これは、私がインスタグラムでフォローしているインフルエンサーの方がお勧めしており、実現できるできないにかかわらず、一年間にやりたいことを100個書き出し、それを達成できるように生きようというものである。
私も実際にリストを作成したが、やりたいことを100個も見つけ出すことは簡単ではなかった。しかし、書き終えた後、「あれもリストに書けばよかった」と思った事が次から次へと出てきた。今までは、どケチ金銭感覚が邪魔をして気づかなかったが、自分はこんなにもやりたいことがあったのかと初めて気づいた。また、リスト中には「コンビニスイーツを食べる」という、一般的にはそんなことも我慢していたのかと考えらるようなものもある。
だがこれもまた、自分の中では無駄遣いであり、今まで心のどこかで食べてみたい気持ちはあったが、絶対に買ってはいけないという呪いにかかっていたため、一度も食べたことがない。このような些細な事でも、実現することで自分の自信に繋がると私は思う。
今年もコロナによって自由に行動できない一年になるとは思われる。だがその中で、どれだけ自分のどケチ金銭感覚に縛られることなく、行動範囲を広げられるかということに挑戦したいと思う。そして一年後、「やりたいことリスト」に「達成済み」という文字が並んでいるノートを見ることで、自分に「自信」というプレゼントを贈れるように、この一年生きていきたい。