「ご存知の通り、昨日から天気が優れません。大変残念ではございますが、本日の出勤は控えさせて頂きます。(なんてったって、この大雨です。先輩)」

そりゃ多少、ふざけた挨拶と思う。
でもこれら愛すべき言い訳を、何度まあ大真面目な顔して考えた人生だったか。
どうやら外は晴れていないという悲しいお知らせは、大抵目が覚めた瞬間に誰しも分かるもの。その時の私の目つきといったら、絶望なんか超えてもうテロリスト。矛先のない怒りと悲しみに、ズーンと窓外の社会を見つめてみる。
(雨がなくなったらどうする?彼らが地球を潤しているのだから…と自分に言い聞かせるまでが一連の流れ)

でももしそれが、例の彼との最初のデート(つまり今週の、いや今月の一大イベント)の日だったら?
本当にテロ事件を起こしてしまう前に、いっそスクール水着に長靴でも履いて
その雨粒、残さず私が浴びてやろうか。と脳裏をよぎったってなんら奇妙な話ではない。(←新種のテロ

頼んます…!そんな彼氏をどうか我に!

ナント!また湿度90パーセント!とYahoo!天気を見るや絶望を感じていたある朝、
ティックトック上の1本の15秒動画に、気づけば10分ほど時間を奪われていた。
韓国の男性というのは、実に紳士的で優しい生き物だと勝手な偏見により思い込んでいるが
それを私の理想にさらに1ポイント近づけてしまう、“彼女の髪を巻いてあげる彼氏”というため息の出るような羨ましすぃ動画。

よく見る見る、「こっちおいで。風邪ひいちゃうヨ?」と言って
彼女のロングヘアにドライヤーをあて乾かす、なんとも甘い韓国人彼氏のワンシーン。
それに憧れ、たしか去年は正月開けるや早々、初日の出・初詣・書き初めに渡り、(たしかアップルのパスワードまで“inSeoul(=ソウルにて)”とかに変更して)願ったもの。
“どうかどうか。今年は私もアレをしたい、「おいで」からのドライヤーの流れ。
頼んます…!そんな彼氏をどうか我に!”

そうです、私が脳内花畑おじさんです。

大雨の日でも気持ちが楽になるはずの美容室の定額サービス

っんまあ、それにしても彼女の髪を“巻いてあげる”なんて、なんと夢のような!
私、最近友達にカミングアウトして人生がまたひとつ楽になった事といえば
「人の何倍もお風呂に入るのが嫌いデース」という話だったので、
そんな彼氏はきっと、髪も洗ってくれて? んでまあ、ブローとかもしてくれるのだろう。フルコースではないか、はっはっは(※妄想です
とか思いながら、未だそんな相手は見つかっておらず。(もうこのオチが不動すぎて怖い)
そりゃまあ、ここTOKYOでヒヒンッとかいって白馬に乗ってる××代男性なんて…現れられてもビックリって話よ。

しかしそんな我輩にとって、ドライヤー男を見つけるより早く確実に、そして大雨の日でもテロリストにならず済む話がこの美容室の定額サービスだよね。
一人暮らしの寂しさをペットで埋め始めたら終わり。それこそ一生彼氏はできない、とよく言うけれど、ママはそれと全く同じ理屈できっとこの素晴らしい美容プランに猛反対するに違いない。
「あなたは、ドライヤーをしてくれる彼氏を見つけなさい。そしたら無料でしょうが」
こう言うんよ絶対。んでもって母は間違いないから、大抵。
つまるところ、私はこのプランを利用してはいけない人間の筆頭に位置するわけで。

この美容室に通えば、きっと何か面白い出会いが…

でもそうだったそうだった。
いつだって、何も分からないのが人生でした(笑)
私はかつて、湿気で伸びきった巻き髪を見るや心の底からいっそ殺してくれと萎え腐ってたのに、それをストレートヘアで「いいじゃん」と言い放った塾のイケメンティーチャーもいた。
だからこの美容室に通えば、きっと何か面白い出会いが…なんてまた花畑ジジイが再入場してるので、そろそろ終わりにしましょう。

だって、少なくとも。相手は美容師さん。
ドライヤーが下手な男の人って、きっといないでしょう?
いいね!なんかすごく楽しみになってきた。