大人になったら、大好きになった男の人と結婚する。幼い頃の私はそのように刷り込まれていた。少女漫画やアニメ、ドラマの恋愛模様に憧れていた。結婚することが幸せなんだ、そのように思っていた。結婚が幸せの最終地点かのように思っていた。
いつの間にか私の中でそれは崩れていった。
迷わず私は、「今は結婚したいと思わない」と答えるだろう
今思うことは、結婚が幸せの最終地点ではなく、結婚しなくても生きていけるということ。そして自分が戸籍上女性だとはいえ、戸籍上男性である人と結婚しなくても良いということ。
「結婚、どう思う?」と質問されたら、迷わず私は「今は結婚したいと思わない」と答えるだろう。
「私事ですが、かねてよりお付き合いしていた方と先日入籍しました」という決まった文章を目にする機会が増えた。私は今年27歳。どうやら結婚する人が増える年代らしい。
数年前に少々上の年代の人から結婚について話があった。その人に、「結婚したいと思わないの?」とあたかも結婚することが当たり前かのように聞かれたが、「思いません」と即答したことを今でも覚えている。若いからそう答えたと思われていたが、今も変わらず結婚したいと思わない自分がいる。
私に押しつけないでほしい。結婚したいと思わない理由は3つ
世の中、女性は男性と結婚して当たり前という風潮が未だにある。その考えは正直息苦しい。年齢が上がるにつれて「結婚は?」と周囲に聞かれる。「結婚したいと今思っていないので放って置いてください!」と力強く心の中で叫ぶ。
結婚に対して悪いものという考えはない。結婚した人に対して素直に「おめでとう」と思う。ただ、結婚を私に押しつけないで欲しい。
結婚したいと思わない理由は3つある。
1つ目は、両親が離婚していて幸せな家庭というものが想像し難いから。実際に見てきた家庭からの影響がある。母に「幸せな家庭を見せてあげれなくてごめんね」と年に何回も言われるが、それもまた人生。寧ろ母と2人になってからが3人の時よりも楽しかった覚えがある。大変ではあったが。
2つ目は、私を取り巻く人々に未婚の人が複数人いたから。中には、趣味にお金を掛けて楽しんでいる人もいた。本人は結婚したいと思っていたかもしれないが。
3つ目は、他人と長時間一緒にいることが苦手だから。長時間他人に気を遣うのが苦手、というのもある。友だちと一緒に旅行したことは1度しかない。おひとりさまが好きで、ひとり旅をよくしていた。一時期、「結婚するなら別居で」と動画配信で言ったことがある。別居も家賃の問題などで大変そうだが。
将来共に誰かと生きていくのなら、性自認問わず好きになった人と
いつの間にか、結婚するなら男性である必要もないと思っていた私がいる。
10代の頃は戸籍上男性である人が好きだった。しかし大学でジェンダーの勉強を少しし、様々な人々と出会ううちに、将来共にするのが男性である必要がないので?と考えた。
戸籍上私は女性。一般的には戸籍上が男性である人と結婚すると思われがちである。(正直ここで“一般的”と書くことがムズムズする。)
そのような縛りも息苦しい。生まれてきた性別に関係なく自由に恋愛し結婚出来ればと考える。
日本は同性婚は認められていなくて、同性パートナーシップ制度が地域によって認められている状況だ。まだ認められていない地域は沢山ある。
だから本当に好きになった人と将来を共に出来るかはわからない。しかし、将来共に誰かと生きていくのであれば、性自認問わず好きになった人とが良い。
それは私だけではない。皆、性自認関係なく好きな人と一緒に将来を歩んでいけたらと思う。
将来は何が起こるかわからない。今現在結婚しようと思わない私にも、結婚しようかな?と思う時期がやってくるかもしれない。その時はその時。私の相手が誰であっても「おめでとう」と周りに言われたら良いなと思う。
しかし、結婚は押し付けられたくない。私は私のペースで未来を歩いて行く。
誰かと一緒になろうと考えている人皆、自分に嘘つくことなく、好きな人と将来を歩んでいけますように。