結婚の「メリット」って、何?
「結婚って憧れちゃう」「私もいつかお嫁さんに……!」って思う機会がどんどん減っていく。ゼクシィのCM、ウェディング関連の広告、友達の結婚報告、SNSの相互フォロワーの結婚や婚約のツイート、素敵だなって感じるけれど「いいなあ」って思わなくなった。
結婚願望がないってこういうことなのかな。
結婚を現実的に見れてないのかなって悩んだりする機会も増えた。どうしたって今恋人がいないのは事実で、周りの未婚仲間は定期的に焦ったりして出会いを探している子も少なくない。長所か短所かは置いといても『若い』っていうステータスはどんどん減っていくから動くなら早い方がいいって気持ち、すっごいわかる。わかるんだけど。
でも、どうしても、やっぱり。結婚をしたことによる「生活のメリット」ってなんだろうっていうのを考えてしまう方が私にとっては優先になる。
結婚のわかりやすいデメリットって正直「女性であることが付いて回る」の一言にすぎると思う。
例えば「家事は女がするもの」っていう未だ主流的な考え。例えば「育休や産休を取るのは妊娠している本人だけ」っていう現状。それらのプレッシャーは相手が同性でも異性でも矛先が「女性側」に向けられている。結婚→出産→育児→仕事復帰か否か……結婚生活の流れの中にあるすべての節目において誰かしらに何かを言われる。
そんな愚痴をあちこちから聞いてたから、「結婚すると女っていうのは何でかわからないけれどずうっと損をしている」イメージがとっても強い。
でも結婚って人生のゴールではないはず。節目だけれど、「新たな家族として」のスタートなのにいざそこに立ったらその先真っ暗。とっても嫌だ、詐欺じゃん。産まれてからずっと「女性」ってだけなのに。
でも私は一生女性として生きていく。なら結婚しない方が幸せなんじゃない?っていつもこの結論が出て「でもさあ」って言いだす自分をなだめて終わり。そこに焦りとか、したいって願望はない。……もしかしたらそんな気持ちが実は胸の中にあるけれど、それ以前の思考に置いてかれてるのかも。
だって「女の人なんだから」って目は今の時代でも中々消えてくれない。女の人なんだから結婚してから家事をこなせるように今から覚えなきゃね。女の人なんだから子供を産んでみたらいいよ。結婚は?恋人は?
結婚しないと一人前じゃないみたい
同性にも異性にもぽーんと気軽な言葉を使った結婚に対するプレッシャーを与えられるような年齢に私もなった。
半年くらい前からすごく増えた。家族がいるっていいよ。結婚っていいよ。口をそろえてそう言う人が、普段から家族がいかに素敵か、結婚生活っていいよってことを語っていたりしたなら私も少しは耳を貸したのかもしれない。
でもそうじゃないから、私は納得ができない。
女の人なんだからっていうのに縛られるのが苦痛だってことを愚痴とか、苦労話っていう形で日常的に言っている人が、未婚の人には結婚って素敵なことだって言う。まるで「お前も思い知れ」と言わんばかりに。結婚しないと人として一人前になれないみたいに言う。
おかしくない?じゃあ離婚した人は半人前に逆戻りしたってことになるんじゃない?え?結婚した経験があれば一人前?へえ、そうなんだ。やっぱりわかんない。
なら一生半人前でもいいかな。この考え方がもう子供っぽい気がして敗北感満載。
でも素直に「えっ、じゃあ結婚する人生計画に変更しちゃおうかしら」なんて思えない。
いつかは結婚したいと焦るのかな
多分どこかで気軽に無慈悲なプレッシャーをかけてくる人生の先輩とかいうやつに対して「そんな私になってたまるか」みたいになっているのもあるんだと思う。
今日までの私は結婚が視野に入らないし、結婚に対して焦りも何も感じない。
幸せそうに笑う男女カップルの結婚CM。SNSに並ぶ婚姻届や指輪をはめた掌の画像。どれも素敵だな、おめでとう、どうか幸せにね。そう思うことはある。でもどうしたって憧れにまで到達しない。どうも恋人がいる人がしてくる惚気の延長線ぐらいにしか感じない。
恋人でもできたら変わるのかな。数年たって三十路を目の前に控えたら、来年、来月、来週、もしかしたら明日、急に焦り出したり、結婚したくなったり家族が欲しくなったりして、そのための出会いを求めるかもしれない。
今の私はきっと、恋に恋する、みたいな感じ。結婚に憧れる自分に憧れたいのに、そんな私はもういない。戻りたいなぁってたまーに思いながら生きていく。
あーあ、「おおきくなったらお嫁さんになって、白くて綺麗なドレスを着て世界で一番幸せになるんだ」なんて言ってた少女はどこに行っちゃったんだろう。