「お姉さんと少し違うのかな?」
この言葉を聞い時の景色を、今でもはっきりと覚えている。

中学1年の夏、三者面談の時に担任の先生から言われた言葉だ。
勉強が嫌いで嫌いで仕方なかった。
成績はいつも赤点ギリギリ。
特に、中学で初めて目にした英語は悲惨だった。
そもそも勉強の仕方が分からなかった。

負けず嫌い精神に火がついた。「できないなんて決めつけるな!」

一方、姉も同じ中学に通っていたが、いわゆる賢いコースのクラスだった。
私の担任の先生は、姉のクラスの英語も担当していた。
姉と思いっきり比べられたのだ。
オブラートに包んだつもりかもしれないが、私には、「姉は良くできて、あなたはバカね」とそうはっきり言われたような気持ちだった。しかも母親の前で。
特に意識はしていなかったが、はっきりとその違いを明確化されたような気がした。

この瞬間、私の負けず嫌い精神に火がついた。

中学1年の夏、特に英語は力を入れて勉強した。
すると、期末テストではクラスで2番目の成績に。
これには担任の先生もびっくり。
この期間でここまで伸びた子は見たことがないと。

そして私は心の中で、「どうだ!できないなんて決めつけるな!」と言ってやった。

好きだから勉強して、留学も。将来は海外で働きたいと思うように

ここから、私の英語好きは加速していった。

最初は赤点から脱却すべく勉強していたのが、無条件に好きだから勉強したいという気持ちに変わっていった。

そして、大学では英米文学を専攻し、ニュージーランドへ留学に。
この経験がまた大きかった。
言葉以上のものを得た。

いろんな考え方を持っている人がいて、いろんな生き方をしている人を目の当たりにした。なんて素敵な空気なんだろうと思った。

そして、将来は海外で働きたいと思いミャンマー、フィリピンへと赴いた。

いい歳なんだから、そろそろ落ち着きなよという周りの目が気にならないわけではないが、世間の28歳と比べると倍以上の経験をしてきたという自負がある。

『日本の英語教育を変えたい』。遠回りをして、その夢を見つけた

そして、日本に戻った今、夢を見つけた。
『日本の英語教育を変えたい』
遠回りもしたけれど、楽しいだけじゃない海外を知ってしまったけれど、やっぱり私は英語が好きなんだと気付いた。それも無条件に。

こんなに何十年と英語を勉強してきたのに、字幕なしで映画も見れない。
自分と同じような経験をしてほしくない。
英語ができれば人生上手くいくとは限らないが、英語で人生の見え方は確実に広がる。

言葉だけではない。

日本にはない空気を吸うことができる。
日本にはない景色を見ることもできる。
日本にはない刺激を感じることができる。
その先にもまた何かを見つけられるかもしれない。

ここまでいろんなことがあったが、全部全部あの時の言葉がなかったら起こりえなかった。
英語に興味がなかったら、大学で英米文学なんて専攻しなかっただろうし、
ニュージーランドの景色を見ることもなかっただろうし、
フィリピンやミャンマーで楽しいだけじゃない海外を知ることもなかっただろう。

そして今、日本の英語教育を変えるぞ!!なんて躍起になることなんてなかっただろう。

あの時の悔しさは一生忘れない。そして、一生感謝です。先生、ありがとう。