昨年結婚した。
正直に書く。
その時、私が抱いた感情は ”恥ずかしい” だった。

結婚の報告は大切な友人にだけ。恥ずかしくて聞かれてもはぐらかした

理由は分析しきれていない。でも紛れもなく恥ずかしく、誰にも言いたくなかったし、会社の人には一応報告したが
「結婚生活どう?」と聞かれても「何も変わりませんよ」とつまらない返しをしていた。
恩師と一番大切な友人にだけ、結婚する前日に報告し、他同級生には全く連絡しなかった。
なんとなく事後報告や噂が広まって知ってる人たちもいるが、定期的にお茶をする友人の中に未だに伝えていない人もいる。

私は二十代前半で、心に決めたことがある。
絶対に男性に頼らず一人で生きられるようにする。だ。
以前は完全に結婚というものを諦めていたので、個人の力、言うなれば女の力だけでどうにか生き延びていく。と心に誓ったのだ。

結婚する前の彼とお付き合いをしている状態、「いやいや結婚なんてまだまだですよ。」と言っている時が一番生きやすかったように思う。
入籍してからも家賃・光熱費、全て折半、掃除洗濯などの家事も各々やるというスタイルを取った。
言うなれば同居人のような、学生の頃友人とルームシェアしていた時となんら変わらない。
そう、「ルームシェアと変わらない」と嘘なく口にしたくて、そのスタイルをテコでも貫いていると言ってもいいかもしれない。

書類上名前は変わったけど、私も彼も誰のものではなく、対等でいたい

書類上は夫の苗字だが、常に名乗っているのは旧姓で、自分自身では旧姓だとも思っていない。自分の名前は昔から変わらない自分の名前である。

私のことを「奥さん」や「嫁」、「女房」と呼ぶのを禁止している。
認めているのは「妻」だけだ。
以前テレビ番組で夫になんと呼ばれるか、ほとんどの人は気にしないという調査結果が放送されていたが、私はゴリゴリに気になる。
常に対等でいたい。
もはや意地である。
結婚指輪も貰わなかったし、もちろん式だって挙げていない。

最近仕事を辞めたのだが、その時、周りの人たちは「まぁ、でも旦那さんいるし安心だね」と言った。
「?」だった。
私は自分で生きる分はどうにかして変わらず捻出するつもりだ。

もちろん一人きりよりはずっと安心感もあるし、精神的な面で頼っている所もかなりある。
だけど、そんな、私の生活をおんぶに抱っこなんて、そんな、そんなの、想像したらすごく怖くなる。
どれだけ彼のために時間を使い、愛で溢れさせる必要があるのだろう。
健やかに物が買えるだろうか、嫌なことがあって突発的にイメチェンしたくなった時に、ためらいなく美容院を予約できるだろうか。

私は彼のものでないのと同時に
彼も私のものではない。

既婚者同士の会話で緩むバリア。結婚こそ最高の幸せ説は滅びてほしい

と、常に自分の周りにバリアを張って過ごしてきたのだが、先日同級生三人でお茶した時、ふとそのバリアが緩んでいることに気づいた。
その時その場にいた全員が既婚者だったのだ。
直感的に「ここでは言い訳しなくていい」と思った。
お互いの結婚生活に関して、それぞれリラックスして話をした。
なんの言い訳だろう、私はいつも、誰に向けて強がっているんだろう。

早く、結婚こそ最高の幸せ説が滅びればいいと思う。
結婚している人も、していない人も、全部正解で
結婚出来ない人はダメ、みたいな風潮、全部なくなって欲しい。

そうしたら私も、ウェディングドレスを着た笑顔の写真をインスタグラムにあげられる。

「結婚しました」のメッセージを全世界に向けて発信できる。

だって私は結婚したくなかった訳じゃないのだから。
かつてはふわふわのドレスに憧れる、夢見る少女だったのだ。