いつか大人になって好きな人と出会って結婚して家族をつくっていく。
それが当たり前と思っていた幼少期。

そこに結婚は必須条件なのか?
それが今、思うこと。

結婚というゴールがないと遠距離恋愛は無理だと思っていた

2年前、大学を卒業して社会人になった。大学で留学も経験し、いつか海外でも働くキャリアウーマンになりたいようなタイプだった。だから海外シェア比率が高いメーカーに就職した。
入社してすぐに同期と恋に落ちた。ただ配属先が全く別のため遠距離恋愛になるのもわかっていた。それでもやってみよう精神で付き合い始めた。
離れ離れになってからは、自分の仕事で頭がいっぱい。初めての1人暮らしでどうやってやりくりするか。忙しい毎日で、寮生活の彼が基本的に会いに来てくれていた。そんな生活をして半年程経った時、私は彼に告げた。
「3年以内に結婚するつもりじゃなかったら、お付き合いは続けられない。」
今の私からするとなぜこう言ったのかは謎だが、あの時の私は結婚したいと思っていた。結婚というゴールがないと遠距離恋愛は無理だと思っていた。

海外勤務に彼との家庭 増えた夢、そして浮かび上がった問題

そして2020年、コロナで世の中は大きく変わった。
拠点間の出張も禁止され、彼とも会えなくなっていた。私自身も、実家の大阪には帰れないし関東にいる友達にも会えなくなっていた。
勿論、電話やメッセージなどでできる限り人と繋がる努力はしていたが、テレワークの日はワンルームのアパートで1人きり、唯一の外出先の会社に出社しても同じ人しかいない。自分は「1人」なんだという気持ちにネガティブに支配されていた。
そんな時、なんで家族にも友達にも恋人にも会えない場所で自分は働いてるのだろうか?そんなにも今の仕事は大事なのか?せめて結婚すれば家族だし彼の所に行ってもいいんじゃないかな?色々な考えが巡った。

そんなうちに、頭の中で「私の夢」という議題が話し合われ始めた。
そもそもこの会社に就職したのは、いつか海外支社で働きたいからだったはずなのにそれはどうした。今の部署にいれば、いつかわからないがいつかは行けると言われていた。しかし、彼と出会ってやりたい事が増えていた。彼と結婚したら家族が欲しい子供が欲しい。そうなると出来るだけ家族一緒に暮らしたい等、考えているうちに気付いた。
いつかじゃだめだ。
子供を産むのは女の身体という事実だけは、どうにもならなかった。
そして私は致命的な自身の問題も見つけた。英語で仕事をしたいが「何を」したいかはわからなかったのだ。
もしこのまま結婚して子供を産んで、仕事復帰しようとしても自分には何もないんじゃないか、それこそ海外で働く夢などその頃には現実から除外されているのではないかと知った。

私はその日から上司と海外拠点でマネジャーになるための修行をしに行きたいと交渉している。ライフイベントでブランクがあっても復帰後バリバリ働けるように、今のうちになっておきたい思いからだ。20代の間に「何をしたいか」見つけたい一心だ。幸いにも親身に話を聞いてもらってアドバイスをもらえたことで、具体的なキャリアプランをもう一度練り直すことが出来た。この貪欲な自分を久しぶりに自分らしく感じられた。

将来のことを真剣に考えたら出てきた「結婚ってなんなん?」

そして、彼も知っていた。自分のしたい事に走る私が生き生きしている事を。
海外に行きたい話を彼にした時、私はこんな女とそれでも結婚したいのかと聞いた。いつになったら遠距離恋愛を終えるのかもわからないし、この先も自分のやりたい事に走っていくかもしれない…ん、ちょっと待った。私は続けて、
「私たちはなんで結婚するの?」
と彼に聞いていた。
自分が最初に「結婚する気がなきゃ付き合わない」と告げたくせに何を言ってるのかと、自分で呆れている私に彼は、
「(私)がどこに行っても僕の所に帰ってきて欲しいから」
と言った。
それを聞いた時、最初は「結婚してなくても好きだったら彼の所に帰るのに(笑)」と思ってしまったが、後々考え直すと、確かに実家の家族の事が絶対的に好きなわけではなくともなんだかんだ心地いいから帰りたいと思うのかなとか。

結婚してなくても子供は作れるし、結婚しても一緒に住まなきゃいけないわけじゃない。結婚してもしなくても、結局私たちのやりたいようにやろうと思えば出来るんじゃないかと思った時、
「結婚って結局なんなん?」
と思った。

結局、親になるなら結婚してた方がいいとか結婚したら夫婦一緒に暮らすべきだとかは社会の制度や人々の当たり前の押し付けによってまだまだ変な圧によるものという事も否定できない。

そして実際今の私も、結婚って結局何なんと思いながらも大好きな彼と結婚して、物理的に一緒かは別としてずっと一緒にいたいと心の底から願っている。