「脚、ふっと!」

これは昨年の秋、自宅近くのキャンパス周りをウォーキングをしていたときに大学生くらいの若い男性に突然投げかけられた言葉。そのときの私は脚のラインが出る、お気に入りのトレーニングウェアを着ていた。

しかしなぜか、あとからじわじわとうれしさがこみ上げてきたのだ。

これがわたしの感性。自分の体型を好きになって身についた自信故のうれしさだ。自信をもつ転機は結婚式にむけて半年間続けたダイエットだった。

「これだけ筋肉が多ければ、痩せやすいですよ」。少しうれしかった

短い指、鳩胸、広い骨盤、脚は太く、大きな足。おまけに身長も低め。標準体重を大きくオーバー。典型的な日本人体型のぽっちゃり。だから自分の体型が嫌いだった。ずっと痩せ型ではない両親の遺伝子を呪っていた。

そんな2019年の春、急に結婚式をあげることが突然決まった。私たち夫婦は結婚式をしないつもりだったのだが、両家両親の鶴の一声で半年後にウェディングドレスを着ることとなってしまった。
今の体型じゃ着られない……!焦った私は、職場近くのジムに入会した。

ジムにはちゃんとした体組成計があったので、はかってみた。すると筋肉量がとても多いことがわかった。もちろん脂肪も多かったが。
スタッフからは「これだけ筋肉が多ければ、痩せやすいですよ」と言われ、ちょっとうれしかった。

実は自分の体型が嫌いと言いながら、私は今までなにもしてこなかった。食べることが好きだから、筋肉を減らすような悪いダイエットはしたことがなかった。だから身長や年齢のわりに筋肉量が多かったのだと思う。

本気で痩せたい私はオプションでトレーナーをつけ、正しい筋トレを教えてもらった。食事管理もトレーナーのアドバイス通りにした。
おかげでするすると体重も体脂肪率もかなり減った。顔を覚えてくれたトレーナーからは「また痩せましたね!」と褒められた。

もともとの体型は変えられない、彼女たちみたいになれないと悟った

ダイエットで体型が変わっていく一方で、あきらめたことがあった。

私の職場にはスレンダーな女性やボン・キュッ・ボンな女性と、素敵な体型の持ち主がいる。ダイエットをはじめた当初は彼女たちみたいになるぞ!と意気込んでいた。しかし痩せていくにつれ、もともとの自分の体型は変えられない、彼女たちみたいになれないのだと悟った。

でもいいのだ。体重は9kgも落とした。Sサイズのズボンが履けるようになった。太らない生活習慣が身についた。なによりも半年間コツコツとダイエットをがんばってきた実績がある。
努力の積み重ねで自信がつき、私はありのままの自分を好きになった。

脚が太くったっていいじゃない、だって私の脚は筋肉がすごく多いもの。
歳をとったときに足腰が丈夫だと、健康寿命が伸びるじゃない?
着たい服が着ることができるなら、あとは見た目よりも健康が第一!

ダイエットで会得したポジティブ感性のおかげで、「ヤッター!」

今はジムをやめているが、好きな運動であるウォーキングは続けている。そんなとき、不意打ちで「脚が太い」と見ず知らずの若い男性に言われた。

「えっ!? あなたくらいの若い男からしたら、29歳のおばさんの脚なんて太くてもどうでもいいのに? 見た目を気にされたってことは同い年くらいだと思われているの私!? ヤッター!」

ダイエットで会得したポジティブ感性のおかげだ。以前の私だったら、ものすごく落ちこんだだろう。
「わたしの感性」について考えたとき、本来もっている気質みたいなものを思い浮かべたので、私になにがあるか正直悩んだ。
しかし途中で、後天的に得た感性もあることに気づいた。
いくつになっても自分は変えられる。自分をハッピーにしてくれる感性はどんどん身につけられるはずだ。

私を強くする感性、これからも増やしていきたい。