「私の感性」は対景色でも対物でもありません。対象は「人」です。
「私の感性」は人の心を深く感じること
普通「感性」と聞くと何かを見て感覚的に感じたことをイメージする人が多いのではないでしょうか。私も、もちろんその感性もあります。綺麗な夕日やものを見ると五感をフルに使って味わいます。例えば、落ち葉を見て、落ち葉にも人間みたいにそれぞれ色があって素敵だと感じます。
しかし、他の人にはあまりないかもしれない「私の感性」は人の心を深く感じることだと思います。人の表情や言葉からその人の思いや考えを汲み取り、相手が考えていることを感じ取れてしまいます。話しているうちに自分がその人になる感覚に陥ります。相手が辛ければ辛い。相手が嬉しければ嬉しい。
人生相談をよく受けるのですが、失恋や就職で失敗した話、上司と合わない話などを聞くと苦しくなるし、その人がどんな思いを持って生きているのか、どうしたいのか、これから光を見つけるためにどう動こうとしているのか感じます。結婚や出産、転職や趣味などの話を聞くと一緒に喜んだり、嬉しくなったり、その人の辛い過去があるからこその幸せなんだとかみしめたりします。
他の人の人生を垣間見て味わっているような気持ちになる
人の心とシンクロするような感性がある私は何人もの人生を生きているような気持ちになります。いや、他の人の人生を垣間見て味わうことができるという方が近いかもしれません。それぞれがいろんな経験を経て今に至っている。そしてその人たちがまた出会い、別れ、人生を歩んでいくと思うと美しい世界だなと感じます。
きっとこれは、「人の気持ちを考えて行動しなさい」「自分が嫌なことは人にしない」と昔からずっと両親に言われていたことで、また私の中でも大事にしたいことだったからこそ私にある感性だと思います。
人の心とシンクロしている時はいろんな自分と人に出会えて幸せ
さて、面白いことにこういう感性があると、こういう感性がある人と時々出会います。その人との会話は本当に面白いです。お互いに心がシンクロしているのでなんだかふわふわした感覚になります。お互いを思ってお互いの心とシンクロしているのでなんだかブランケットに包まれているような温かい感覚。感覚的なものでなかなかうまく言語化できませんが、この感覚をかみしめる時も他の人の心とシンクロしている時もいろんな自分と人に出会えて幸せです。
今後もこの感性を大切に生きていきたいと強く思います。そして相手を責めるのではなく、優しい言葉や思いで溢れる世界になると幸せがさらに増えていくと思っています。このエッセイを通じてあなたが私の心と少しでもシンクロしてくれたら幸せです。