これまでの私は自分に自信が持てなかった。特別自分のことが「嫌い」なわけではなかったものの、だからと言って自分のことが「大好き」であるかと聞かれれば素直に「はい」と頷くことはできずにいた。
そんな私の自分自身に対する見方、気持ちを変えてくれた言葉がある。
それは「Love myself」自分自身を愛することである。

自分に対する自信を様々な点でなくしていた

1999年9月18日、日本人の母と父の間に生まれた私は日本、ではなくカナダで産声をあげた。小学生の頃までカナダと日本を行き来し、カナダと日本どちらも良い友人恵まれ、シェアハウスをしていたことから沢山の大人に囲まれ甘やかされながらもすくすくと成長していた様に思う。

よく「出先で泣き叫ぶことも物をねだることもない、手のかからない子だった」と母から聞かされるが、特に反発することなく素直に指示に従うというその性格は、幼かった頃だけでなく中学、高校、大学に入学するまでネガティブな方向に引き継がれることになる。

特にクラスメイトの前での発表やグループディスカッションの機会が増えるとそれは顕著になった。その時の私といえば、自分の意見が正しいか分からないから何も言わない。誰かが似た様なことを言えば後出しの様に意見を付け足す。
誰かと考えが違うことに怖さを、自分の意見に自信を持って誰かの前で話すことに恥ずかしさを感じていた私は、それよりも誰かが言ったことに従っておけば目立たずにいれていいじゃないかと自信のかけらも無かった。

さらに、身長や顔など自分の容姿にもコンプレックスを感じていた。特にカナダの友人達に会うと皆同じ日本人であるにも関わらず身長が高く、それが余計に私の自分に対する自信を失くさせた。

この様に自分に対する自信を様々な点でなくしていた私だが、2019年の秋、自分を愛することを学び自分自身に自信を持つことができる様になった。

自分の過去も未来も丸ごと愛せる様になりたい 

私が「Love myself」という言葉に出会ったのは2019年、留学していた時のことである。
英語圏に留学したにも関わらず何の縁かK-popという今まで触れたことのないジャンルに惹かれ、ありとあらゆるコンテンツを見て楽しんでいた時にBTSの『Answer: Love Myself』という曲を聞いた。

自分自身を愛することは難しい、どんな時の自分も全てが自分なのだ、というような内容の歌詞だった。
例え何かに失敗しても成功しても全て私自身であることに関わりなく、そんな自分の過去も未来も丸ごと愛せる様になりたいと思わせてくれた。

再び強く光ることができるように道を示してくれた

“自分自身を愛すること”は難しかった。それでも振り返れば、小さい頃から何不自由なく自分がやりたいと思ったことができる環境にいることができたのは、周りにいる多くの優しくて暖かい家族や友人がいて私を愛してくれていたから。
私はそんな大きな愛で包み込まれた自分を、私自身も愛したいと思った。今まで好きになれなかった自分を受け入れ、“コンプレックス”は“チャームポイント”に、“他人と異なる意見”は“私にしか思いつくことの出来ないたった1つの特別な意見”に少しずつではあるが変わったのである。

たったひとつの言葉。力なんてこれっぽっちもないように思えるのに。
それでも私の約20年という長い年月で築き上げられた、自分自身ではどうしようもなくなり暗闇の中に消え去ろうとしていた小さな光を、「自信」を。「Love myself」という言葉が、再び強く光ることができるように道を示してくれた。
言葉が持つ力は偉大だ。私と同じように自分に自信が持てず、暗闇の中を彷徨っている人を見つけたら。私は自信を持ってこんな言葉を伝えたい。Love myselfと。