自分で自分を幸せにする。

よく聞くような言葉だけれど、私にとっては初めて知ったような。
というよりは、やっと理解できるようになったというのだろうか。

彼が私の全てに。彼との関係性が私の体調や仕事の調子まで左右した

去年は大好きな彼氏と同棲を始めて、それはそれは心の忙しい日々を送った。
幸せすぎて怖いねと笑いあった最初の数ヶ月と、本当にやってきた恐れていた日々。別れそうになっては泣いて、立て直しては幸せに浸って、何度同じことを繰り返しただろうか。
もう、彼が私の全てになってしまって、彼との関係性が私の体調や仕事の調子まで左右する始末だった。
そんな乱れに乱れた私は、半ばやけくそになって自分にお金をかけ始めた。
生まれて初めて髪を染めて、マツパして、ネイルして、友達に紹介してもらったデトックスプログラムなんか始めてみて。綺麗になった私に惚れ直せばいいわ、他の男に取られると焦ったらいいわ、そんな気持ちだった。

今までの私は、彼に幸せにしてもらおうとばかり考えていた

友達にも会い難いこのご時世、彼氏との会話も弾まない生活の中、誰かが私にゆっくり向き合ってくれる時間は私にとって新鮮にすら感じられた。お金を払っているのだから当然といえば当然なのだけど、美容師さんやデトックスコーチは私のオチのない愚痴を延々聞いてくれた。私も話すことで少し冷静になれたのかもしれない。
「私、綺麗になって自分に自信をつけたいんです。彼にかわいいね、綺麗だねって言わせたいんです」
こう言った私に、美容師さんもデトックスコーチも同じことを言った。
「彼はきっと綺麗になったねって言ってくれるよ。でもそれよりも、自分のことを綺麗にしようって行動しているあなたが素敵だね。だって、自分を幸せにできるのは自分だけなんだから」
ハッとした…というよりは、沁みるような心地がした。これまで、辛くて苦しくて流した涙に、少し感謝できるような気がした。

今までの私は、彼に幸せにしてもらおうということばかり考えていた。
今日は仕事が長引いたから慰めて欲しいと言い、今日は仕事が早く終わったから私と一緒に過ごして欲しいと言い。彼に好きだよと言われれば幸せ、言われなければ不機嫌。毎日毎日浮いたり沈んだりする心に、自分がついていけなくなってしまっていた。
仕事が長引いたら頑張ったねと慰めるのは私でいい。仕事が早く終わったらゆっくりお風呂に入ったり、本を読む時間を作ったりして自分にご褒美をあげたらいい。誰も私のことを好きと言ってくれなくても、自分が自分のことを大好きでいられればそれだけで幾分かは幸せになれるはずだ。

一人の時間を大切にする彼と、人と過ごす時間を大切にする私

今、私は彼と別れようとしている。一人の時間を大切にしている彼と、人と過ごす時間を大切にする私の違いを上手に解消できなかったからだ。
以前の私だったら、自分がどんなに我慢してでも彼を手放すまいと、毎日泣きながら歯を食いしばって繋ぎ止めたに違いない。でも今の私は、自分の幸せも相手の幸せもきちんと考えることができるようになった。
今でも彼のことを愛しているし、彼も私に愛情を持ってくれていると思う。でも、一緒に生活するとなるとお互いにストレスのほうが大きくなってしまう。たくさん話し合って2人で乗り越えようとしたけれど、もうこれ以上は打つ手がなくなってしまった。

今は少し辛くても、何年か後に私を幸せにするためには、私はこの生活から抜け出さなくてはいけない。そして私と同じように、誰かと時間を共にすることを大切に思ってくれる人と、温かい家族をつくりたい。
もしかしたら、その何年か後は全然思っていたような幸せを手に入れられていなくて、どうしてあの時別れてしまったんだろうと後悔しているかもしれない。
それでも、少しでも前に進もうと、自分のために大きな決断をした私のことを、まずは私が褒めてあげたい。
私を幸せにできるのは私だけなのだから。