――自慢するポイントは人の「限界」(大人の条件,2020,p15)

腑に落ちずにはいられなかった理論。
自慢に置かれたある「ライン」。
自慢はその人にとってのピークを露呈している行為なのかもしれない。

以前、ミスコン出身の女性をお嫁さんにもらったことをやたらと自慢している男性がいました。
「俺の奥さん、さすがミスコングランプリなだけあって、本当に綺麗なのよ。大学時代もかなりモテてたらしくって。」

…これ、『自慢するポイントはその人の限界でありピークの露呈』理論に当てはめると、かなりひどくないですか?

自慢が「アップデートされていない自分の露呈」になっている人たち

だって、その女性は、ミスコンでグランプリを獲ってからもう数年も経っていて、社会にも出て、仕事もして、ある程度の経験も積んで、しかも彼女ではなくて、もう奥さんなわけで。

なので、理論に当てはめた超個人的な脳内変換をすると、この自慢話は「パートナーの魅力を、自分の中では大学時代からアップデートできていないことの露呈」にしか聞こえなくなってきて、何とも言えない気持ちになりました。

他にも、合コンの自己紹介で、良い年こいてやたらと出身大学を言いたがる人は「俺のピークは大学で、そこから何もアップデートされていない露呈」でしかないし、会社名をやたらと言いたがる人は「素晴らしい会社に入ったとて、何も功績を残せていない露呈」にしか聞こえません。

22時を廻ったらいつも始まる、10年前に社長賞を獲ったことを自慢してくる上司の話は「それから10年間、何も功績を残せずながらも高い給料をもらい続けていることへの懺悔」として、こちとら、受け止めておりますよ。

「こんなあられもない姿を……!」そう思うとイライラがだんだんと

自慢話を聞くと耳にたこができてしまう、原因不明の病に悩まされているみなさまへ。
私もそうでした。人の自慢話が本当に嫌いで、「なぜ、私は今、そんな話を聞かされているのか。」モードに入るともう、イライラしてしまって。

でも、馬鹿らしいですよね。人の自慢話に自分の機嫌が左右されるのなんて。そこで、出会ったのがこの魔法の理論です。

『自慢するポイントはその人の限界でありピークの露呈』理論に当てはめながら、あらゆる人の自慢話を聞いてみてください。
「この人は今、一生懸命、自分のピークを私に露呈してるのか…」って考えると、恥ずかし気も無く自分の恥ずかしい部分を私に見せている行為と捉えることができ、謎のスイッチが入ると、イライラではなく、なんだか少し、ムラムラさえも感じることがあります。

「こんなの、自慢にならないよ」謙虚な一言に秘められた情熱!

おまけの小話を添えると、ある男性の話を聞いた時に、その功績と経験が本当にすごいと感じたので、
「そんな経験されているなんて、すごいですね」
って、言いました。ある意味、その人にとってはなんてことのない話をヨイショして、自慢話のようにしてしまう返しになったかもしれません。

するとその男性、すかさず、「こんなの、何の自慢にもならないよ。」って、言ったんです。これって、『自慢するポイントはその人の限界でありピークの露呈』理論に基き、勝手な脳内変換をすると、「いや、俺のピークはまだまだこんなもんじゃないよ。」になりませんか。

謙虚と見せかけて、秘めたる情熱すら感じさせる一言に、とてもムラムラしてしまいました。

少し変な表現になりましたが、私はこの魔法の理論のおかげで、自慢話によるイライラを、ムラムラに変換する術を覚えました。

イライラするよりも、だいぶマシですよね。よかったらみなさんも試してみてください。

参考文献:大人の条件 さまよえるオトナたちへ 林 伸次著