ごめんね、川島。あの時ちゃんと向き合えなくて。川島の気持ちに寄り添えなくて、ごめん。

真っ直ぐに気持ちを送ってくれる川島と、授業中に付き合い始めた

私達は日本史の授業中に付き合い始めた。どっちからという訳ではなく、話の流れで、自然に。川島は初めての彼氏だった。元々仲の良い友達で、面白くて優しい川島のことを、これからきっと大好きになれると思っていた。秒で既読がつくところ、丁寧に返信してくれるところ、誰に対しても誠実なところ、一緒に帰るために待っていてくれるところ、私の目を見て話を聞いてくれるところ、川島は本当に優しくて真っ直ぐに気持ちを伝えてくれていた。それなのに、本当にごめん。ごめんね、川島。

ハロウィンの日に付き合った私たちは、記念日をいつにするかで話し合った。31日は2ヶ月に1回しか来ないから、どうしよっか~って。2ヶ月に1回で良いんじゃない?と言う私に、川島は毎月祝おうよと言ってくれた。結局1回も祝うことなく自然消滅してしまったけど。2年経った今でもハロウィンになると川島のことを思い出す。なんであの時川島の気持ちから逃げてしまったんだろう。こんなに良い人いなかったのに。

辛辣な別れのラインにも優しく返し、絶対に私を悪者にしなかった

ある日、「あなたの行動、言動、存在全てが受け付けられません。ごめん。」というラインを送った。川島の真っ直ぐな気持ちに耐えきれなかったから。楽になりたかったから。解放されたかったから。こんな私の最低で突き放したラインに対しても、川島は本当に最後まで優く接してくれた。「俺が全部悪かった。申し訳ない。」と返してくれたね。今でも後悔してるよ。なんであの時もっと川島の気持ちを想像できなかったんだろう。なんでこんなに酷な言い方しか出来なかったんだろう。自分が同じことをされたら絶対に嫌なはずなのに。

別れてから、というか私が一方的に関係を消滅させてからというもの、私達は目を合わせることすら無くなった。当然だ。川島が一体どんな気持ちで残り数ヶ月の高校生活を送ったのか、私にはとても想像できない。想像する権利すらない。友達から茶化されても、川島は絶対に私を悪者にしなかった。最後まで「俺が悪かったんだ」と言っていたね。それは違うよ。謝らないで、川島は悪くないよ。素直に言えなくてごめん。川島の純粋で真っ直ぐな想いを受け止めきれなくて本当にごめん。

大好きな人としか付き合ってはいけない。彼が教えてくれた大切なこと

川島から一番大切なことを教えてもらった。それは、本当に大好きな人としか付き合ってはいけないということ。付き合った後から好きになるパターンもあると言う人もいるが、私には向いていなかったようだ。川島からの気持ちを結果的に踏みにじってしまったのだから。最初から自分が大好きな状態じゃないと、私はまた同じように耐えきれなくなって、私はまた耐えきれずに、あの時のように、優しい人を傷つけてしまうかもしれない。川島、ありがとう。川島のおかげで、恋愛する中で一番大切なことを学ぶことができたよ。ありがとう。

川島、次の春から川島と同じ大学に留学することになったよ。びっくりした?言ってないもんね。すれ違ったら、気づいてもらえるかな。ガン無視されるかな。されても何も言えないや。そんな権利ないよね、うん、分かってる。川島の幸せをずっとずっと願ってる。願ってても良い?もし、話す機会があれば今度こそ伝えたい。川島、ごめんね。ありがとう。幸せになってね。