たまたま、ある男友達と彼氏が会うことがあった。あとで彼氏からは「クロだろ。もう会うなよ」そう言われた。私は納得できなかったが、仕方ないのでその男友達とは距離を置くことにした。

男友達から「今度は他の友達と3人で」と言われたけれど「人数の問題ではない」と彼氏に却下された。

向こうはわざわざ気を遣って言ってくれているのに、ちょっとひどいんじゃないかと思ったけど、とても言い返せる雰囲気ではなかったから黙っておいた。

彼が私の男友達に感じた違和感。私は、考えすぎだと思っていた

彼だって女の子の友達いるじゃん。嫉妬したら周りは笑っていたけれど、何が違うの? Aくんはいいけど、Bくんはダメって、意味わからないよ。Bくんとちょっと連絡取るくらいでそんな暗い顔しないでよ。なんで気になるの? 友達だよ? 気にすることじゃないってば。彼氏おかしいよ。なんでそんなことを気にしてしまうの? 私があんなやつ好きになるわけないじゃない。

そうして数ヶ月、たまにだけどぐるぐる先に会った男友達のことを考えた。いや、ないないあいつは私のことを女だなんて思ってない。思うわけがない。そう思っていた。

でも、本当に? あの一言、引っかからなかった? 本当に女だと思ってなかったら、わざわざ言うかあんなこと?

思い返せば全部怪しく見えてきた。気がつかなかった。その場の楽しさを優先して、何もしてこないと高を括って、小さな違和感も無視してきた。

「私は好きじゃないし、向こうもそんなことは言わない。だから大丈夫。気にしすぎ」そんなことを言っていた自分が情けなかった。それは私の考えに過ぎない。向こうがどう思ってるなんて、少しも考えなかった。

男友達は「彼と私の関係」を壊そうとしていたのかもしれない

その男友達は、きっと私に好意を見せたら警戒されるから見せないようにして、ずっと友人のふりをしていた。それでも、自分の株は上げようとした。彼氏のことも悪くは言わないけれど、あわよくば自分の方が上だと見せたい。彼氏と喧嘩したなんて知ったら、上手く取り入ろうとしたんだろうな。

私は単純だから、まんまと騙されるところだった。それで彼氏の悪口なんか言い出したら、乗っかって「そんなやつやめときな」「どうかと思うよ」なんて言って別れさせようって魂胆もあったのかもしれない。

何も知らずにこの友人と関わってきたことが、どれだけ彼氏を傷つけたことか。謝ったら彼氏は、目に涙を溜めながらも許してくれた。

私自身、無自覚でも友人の好意ををわかっていたところはあったのかもしれない。「でも、友達だから。そんなわけない」そう言って逃げてきた。

男友達より彼氏の方が大事なのに、私はその場の楽しみを優先していた

どう考えたって、彼氏と男友達を比べて大事なのは彼氏の方だ。なんなら比べるまでもない。それなのに、私と彼氏の仲を引き裂こうとするような自分の男友達1人切らなかった。

いや、そもそもそんなやつは友達ですらないんだろう。少なくとも向こうは友達のつもりで接していたわけではないはずだ。

友達以上のことがないだけで、気持ちの上では浮気と取られたって仕方のないことなのに。だからこそ、彼氏はあそこまで思い詰めた。「友達だから」で、その場の楽しみを優先して考えを停止した自分が憎い。

それでも私の親友の1人は男の子だ。自他共に認める仲良しである。親友については、彼氏も認めている。
だから男女の友情が成立しないなんていわないけれど、鈍感すぎるのも考えもの。1人の人を大事にするって難しいなと改めて思った。