絶対に好みなはずのソーシャルゲームさえ、半年以上続かなかった

私は今、子持ちの主婦で、妊婦だ。自分の趣味に対して自由にお金や時間をかけることができない。
でも、その条件を全て差し引いたとしても。私は趣味が長続きした試しがないのだ。そう、1度も……。私は根っからの「飽き性」である。

「これ絶対に私向きやん??」と感じ、リリースを楽しみに待った基本無料のソシャゲですら、半年以上は続かなかった。
「1周年おめでとう!」と古参のファンが盛り上がっている様子をタイムラインで見かけては、リリース当初に推したキャラのSSR登場に、これっぽっちも興奮することのない自分との温度差に、結構しょんぼりした。

実用的な趣味なら続くかも?と思いきや……

大学生の頃は、バイトで稼いだお金を色んなジャンルに費やしてきた。
初めはゲームやアニメなどの2次元に。それから声優さんにハマって、舞台やミュージカルにも夢中になった。ただただ楽しかった。

しかしそれらも個々のコンテンツに分けて見れば、決して長くハマっていたわけではない。1つの作品名をTwitterのプロフィール欄に掲げ続けるような熱量を、私は持ち合わせていなかった。

主婦になってからは、少し凝ったお料理、お菓子やパン作り、裁縫や園芸などにチャレンジ。
「実用的な趣味ならば続くかしら」と思って手当たり次第に始めてはみたものの、どれもこれも数カ月で飽きてしまった。

最近は美容にも興味がある。とはいえ日々のスキンケアすら、うっかりおろそかにしてしまう私だから、特別なケアをしようにも3日坊主になりがちだ。
どうすれば日常に落とし込めるのか、試行錯誤している最中である。

趣味がないことの3つのデメリットとは

私の「飽き性」、「ソシャゲすら続かないコンプレックス」は、とても根深い。
そして私はこのドライな性格に、いくつかのデメリットを感じている。

1つ目は、他の人が趣味に没頭する様子を見た時、私は共感ができないという点だ。
表面的には理解できる。しかし「コンサートの抽選手伝って!」などと、LINEで友人に呼び掛ける程の情熱を、私が燃やしたことがあるかと問われれば、……無い訳で。
「夢中になれて羨ましいなぁ」と感じる反面、「そこまでやるんだ……」と温度差を感じて、勝手に複雑な気分になってしまったりもする(そして既読スルー。すまん……)。

2つ目は、自分の生活を整える手段の1つを、私は持てないという点。
長く続く趣味がある人は、自分のメンタルを保つのも上手い気がする。アイドルやキャラクターを推すということは、憧れの相手から生きる活力を貰うという事だ。そしてファンは推しの活躍をエンジンにして、世知辛い現実を生きていく。
私もその感覚を、知ってはいるんですよ…!でも残念ながら、それが長続きしたためしが一切ないのだ(過去の推し達、みんな元気かな……)。

3つ目は、「私の趣味は◯◯です」と言い切れる様な、自分のブランディングが、私には出来ないという点。
趣味で繋がる人脈もあるだろう。そのブランディングをキッカケに、趣味の本質とは離れた部分でも、素晴らしい出会いが生まれるかもしれない。
また、自分のことだけを考えたとしても、自分の好みを把握している人って自己肯定感が高そうだ。知識をアップデートしていくのって、何だか気持ちがいいもんね。……でも私はその山、いつも5合目辺りで下山しちゃうんだよなぁ(山頂から見える景色は知らない……)。

長く続く趣味を持っている方は、「つまりあなたは『にわか』なのね」とお思いでしょう……。そうです、私は常に『にわか』なんです……。

私はコンサートの抽選を自力でして、無理なら諦める。過去の推しのグッズも、定期的に捨てていく。本屋さんに行っても、決まったエリアを覗くという事はしない。そんな『にわか』の星の住人なのである。……残念。

無趣味である事には数多くのデメリットがあると、私は思う。私はそのコンプレックスから、長く続く趣味を持つ人の日常が、いや、人生が。キラキラと輝いて見えるんだよなぁ。

とはいえ現状私には、無趣味な分だけゆとりがある。慌てて追いかけたり、感情を揺さぶってくる推しがいないからだ。……え、他のメリット?……ない!!!(投げやり)

いつか素敵な出会いがあるようにと待ち望む

長く続く趣味を持って、私の知らない世界を、知らない深さで楽しんでいる人達を見た時。私はなんとも複雑な気持ちを抱いてしまう。心の中に、「いいなぁ」と、「そこまでやるんだ……」と、他にも色んな感情がぐちゃぐちゃになって、押し寄せてくる。

鏡に写るのは、大人になっても未だに色んなビーチを渡り歩いて、浅瀬でパチャパチャやっている私。人生、損してるんだろうなぁ……。

長続きする趣味って、どうやって見つければいいんだろう。私は未婚の友人達がよく言う「出会いがない」というセリフを、恋愛ではなく、趣味に対して呟く。

あのソシャゲでもダメならば、私はどんな趣味ならばどっぷりと、心底ハマれるのだろうか。
私はいつか訪れるかもしれない、趣味との素敵な出会いを待ちわびる、夢見がちな29歳主婦。
誰か私を、熱狂させて下さい。