このページにたどり着いた方の中に、美容師さんはいらっしゃいますか?1つお聞きしたいことがあるんですが、よろしいでしょうか。
「美容師さんって、お客さんのどこを見て、渡す雑誌決めてるんですか?即決ですか?」
私が美容院に行くと、毎回別ジャンルのファッション誌を渡されがちなのだ。これってよくある話なんだろうか。
ターゲット層からしてバラバラ。20代向け、30代向け、20~30代向け、時には10代向け(これはカラコンをつけている時あるある。美容師さんの観察眼すごい)や、40代向け(意外と着たい服が載っているけど値段にびっくり)も。
テイストは、大人カジュアル、コンサバトラッド、ビューティーファッション、大人ガーリー、OLフェミニンなどなど。
私の現在のスペックは28歳子持ち主婦。幼稚園ママ。おそらくファッションセンスやメイクの好みに一貫性がないのが原因なのだろうけれど、なんかもうすいませんタブレット下さ~い(近未来)。
しかしそうは言いつつも、私は毎回美容師さんに選んでもらった雑誌を面白がって読む。そうか、今日の私はこっち寄りなのか~とか思いながら。
「実用的な情報を得るため」と「気分をアゲるため」に買う
普段本屋さんで自分がよく選ぶのは、主に30代主婦向けコンサバ誌。ちょっと大人に見せたいときの情報を得られるから。あとは20~30代向けの大人ガーリー誌何種類かをチェック。園の送迎や子連れの公園に着ていける服は載っていなくても、ただ誌面を見ているだけでアガるから。
ファッション誌って、「実用的な情報を得るため」と「気分をアゲるため」に買うものだと思う。私は紙の本全般、何度も繰り返し読むタイプなのだが、それは雑誌も例外ではない。本屋さんでパラパラと誌面を眺めてから、何度も読むであろう号しか買わない。
そんな訳で、買わない月が続くこともあるし、直近のモチベーションによってはファッション誌2冊、ついでに美容誌1冊をまとめ買いしてしまうようなこともある。好きな号だけ集めていたら、結果同じ雑誌の11月号が5年分ストックされていたことも(秋と冬の境目の服って可愛くて大好き)。
ファッションの誌面に惹かれなければ、買わない
ここ数年で急激に、ファッションや美容についての情報がSNSやYouTubeで簡単に手にはいるようになった。毎日配信している一般の方や、事務所に所属している方もいる。ネットであれば、レビューを見て即ポチれるのも便利だ。バズれば情報が広がるのも早い。
そんな利便性や拡散性に対抗してか(癒着してか)、雑誌はどんどん付録が豪華になり、値段も釣り上がっていった。そんな号は雑誌自体が薄いことも多くなった。
私がファッション誌を買うのは「実用的な情報を得るため」と「気分をアゲるため」。そして毎月どのファッション誌を買うのかを決める際には、正直付録が興味の入り口になることもあるし、最後の方におしゃれな料理のレシピが載っていたら、我が家で再現可能か確認はする(主婦なもので)。
それでもやはり、ファッションの誌面に惹かれなければいくら他が好みでも、私は買わない。
紙面を切り抜き、コラージュ。それを見てうっとりする
ファッション誌のページをめくっていて、「あ~。。。この特集、大好きやわぁ。。。」と思うことはないだろうか。私はある。
このページ、全部好き。ページをめくっても、やっぱり好き。ため息。このカット、額にいれて飾りたい。実際に切り抜いて、手帳や冷蔵庫に貼ってみたりして。数年たって見返しても、はぁ。やっぱり好き。可愛すぎる。。。
その感覚は、本屋さんパラパラの段階で、直感でわかる。そしてそのページに出会えた嬉しい気持ちのまま、家に連れて帰る。1人の時間にお茶を飲みながら、ゆっくりと読んで味わうのだ。
私は中学生の頃から、背伸びした雑誌を買ってきて気に入った部分を切り抜き、コラージュするのが趣味だった。そうして出来上がった一枚の紙の上には、その年齢では手の届かない憧れの世界が、キラキラと輝いていた。それを見てうっとりする、そんな時間が好きだった。
その経験があるから、私は雑誌のページが手に取れる紙の形であって欲しいのだと思う。電子版ではなく。
これほど大好きなのに、応援できないのが、つらい
ファッション誌は今、苦境らしい。というか、ファッション業界も雑誌業界も、しんどそうな気配が消費者に駄々漏れという現状だ。
ファッション誌を読んでいると、普通のページと見せかけてよく見たら広告、ということも増えた(タイアップ広告と言うらしい)。それが中々巧妙で、読み返してやっと気づくこともある。ブランド側と出版社側の思いが結実した、涙の企業努力である。
最近、私が10代の一時期好きだった雑誌とブランドが、立て続けに終わっていった。どちらも確かに、流行からは大きく離れた場所で息づいていた。それでも、たとえ今大勢の人が触れることはなくても、それぞれの過去のファンには、ときめかせてもらった思い出がある。悲しい。
でも、ごめんなさい。私は、雑誌の定期購読はできません。だって、今の生活の中では、その時々で読みたい雑誌が違うんです。日々ネットから溢れだす情報の滝に打たれている私には、雑誌をゆっくり読めるだけの心のゆとりがない月もあるんです。
これほど大好きなのに、応援できないのが、つらい。毎回美容院でバラバラの雑誌を渡される、こんな私にできることは何もないのかもしれない。ならばもういっそのこと、悲しい未来を覚悟しておいた方がいいのかもしれない。私はファッション誌の衰退に荷担している。