2020年はコロナに振り回される1年となった。
ここまで振り回されるとは…。コロナの影響で思い出さざるを得ない言葉が浮かび上がる。
「経営も店舗運営もトップで決まる」
先代社長が言った言葉である。
先代社長が亡くなってもうすぐで3年、長いような短いような感じがするが、この言葉を忘れずに日々を過ごしている。最近さらにこの言葉がぐさぐさと来ている。

初めは、「トップで決まる」の言葉を理解できないままだった

「経営も店舗運営もトップで決まる」。この言葉は入社1年目の時に聞いた言葉である。
目標達成できるかできないかは、“店長次第”。なかなか厳しいひとことだと、この言葉を初めて聞いた私は思った。2年目に入る前に店長のようなことを1年半やっていたが、この言葉を理解できないままだった。
その後「店長っぽくない」という理由もあり、店長の休みの日にヘルプで入るという役割をしていた(店長っぽくないと言われた日は泣いて帰った)。ひと月10店舗ほど店を回っている中で、各店舗の個性というものに気づく。
自分で考えて施策をやっている店舗は成績がいい。「社長が言っていた言葉ってこういう意味なのか……!」と腑に落ちた感じがした。また、1つの店舗を任されるようになり、その時は各店舗の店長のよかった所の真似をたくさんやってみた。他にも自分で考えて行動することで、目標から大きくずれることなく達成になる月も多くなる。アルバイトさんとのコミュニケーションも大事にして、入社してすぐやめるとかそういったことはなかった。
トップの行動って大事と改めて感じた瞬間だった。

リーダーシップのある人がトップになるべきだとつくづく実感した

コロナの一件で、“人間の本音”や“どす黒いもの”が見えた気がした。4月の緊急事態宣言で政府は“お願い”で自粛モードを作った。
会社でも自然と「カネか、命か」という議題が勝手に上がり、私も「通勤だけでもリスクです。営業しても誰も来ないから短縮営業で早く帰らせてください!」と上司に文句を言った1人だった。テレビでも営業するかしないか、パチンコに行くか行かないかと社会問題となったものだ。
先代社長の「経営も店舗運営もトップで決まる!」の言葉をここで思い出した。
一店長の短縮営業の意見が通るかどうかは、会社のトップが決めることだ。会社だって “営業をするリスク”と“営業しないリスク”を天秤にかけて考えないといけない。補償金に至っては会社のさらに上の規模の話になってくる。

ここまで来ると行政に頼るしかないのに、肝心の行政は…。国のトップがごたごたすると国全体もごたごたしてくる。それが荒れに荒れたコロナ禍になったのではないかと思う。
これは日本に限ったことではない。リーダーシップのある人がトップになるべきだとつくづく実感したものだった。故人のこの言葉にここまでぐさっとくる時が来るとは思っていなかった。

先代社長の言葉を受け継ぐ立場。トップとして責任のある行動をしよう

先代社長は若くして会社を起業した人で、「俺に付いてこい!」というバイタリティのある人だった。だからこそ、こんな言葉が出てきたのかもしれない。
会社の手帳に「やりなさい!すべては社長の私が責任を取る」といった文言もあった。
会社の業績はトップ次第。トップ次第というのは社長だけでなく、店長でもこれは通用する。もしかしたら、学校のクラブ活動のキャプテンでも一家の長でも通用するかもしれない。
究極を言えば、人生でのトップは自分自身、人生もトップである自分自身で決まる!ということになるのではないだろうか。人はそれぞれ複数の役割を持って生きている。私ならSVとして、店長として、お姉ちゃんとして…。私はトップらしい行動をとれているのだろうか?トップとして責任のある行動をすることが、先代社長の言葉を受け継ぐ身としてふさわしいことかなと思う。

P.S.社長、「経営も店舗運営もトップで決まる」。素敵で考える機会を持たせてくれる言葉をありがとうございました。天国でも温かく見守ってください。