今年ももうバレンタイン。私はふと、ああ、もう1年経ったんだな、と思います。
私はちょうど1年前の2月14日に、ある男の人にチョコレートケーキとクッキーを作って渡しました。たわいも無い内容だったけど、ちょっとした手紙も書いて一緒に渡しました。
その時彼は運転席にいて、私は助手席に乗っていたのですが、受け取ったとき、彼の顔が一瞬曇ったのを、私は見逃しませんでした。

私のわがままを、アイデンティティとして大切にして欲しい

 ここで、私が恋愛に何を求めているかを少しお話しさせてください。
まず、私の恋心は、相手の男の人の愛情が100%、それも24時間365日、自分に向けられているって確認出来なければ、保たれません。それだけではなくって、その確認作業を、私からでは無くて、彼の方から自発的にしてもらいたいんです。もし、私がどうしても不安になって、その確認作業を私から始めたときには、彼には快く、それに付き合ってもらいたいんです。
それから、私が嘘をついたときや、彼の愛情を試すようなことを言ったときも、彼には絶対に正解の行動をとって欲しいんです。つまり、私を責めずに、むしろ私にそういうことをさせた原因に対して、腹を立てて欲しいんです。もしもその原因が彼自身だったなら、より厳しく、彼自身を責めて欲しいんです。
そして、私のこの一連のわがままを、私のアイデンティティとしてリスペクトして、大切にして欲しいんです。

「傷つけてごめん」ベッドの上で彼は言った

 彼が私と付き合いたいと思っていないことは、正直初めてご飯に行ったときから気づいていました。そういう種類の勘は割と当たる方だし、それに、いいなと思っている人に対しての観察力は、人間誰しもが無意識的に高くなるものだからです。
彼は私のプレゼントを受け取って、それを大事そうに、優しく後部座席に置いたあと、車を出しました。私達はいつものようにドライブして、その後初めて、ホテルに行きました。

 「傷つけてごめん」ベッドの上で彼はそう言ったような気がするのですが、正直なところ、その時のことをあまりはっきりとは覚えていません。
私はもう、彼とこんな風に会うことは出来ないんだというショックと、そういう事態を、私自身が引き起こしてしまったんだという後悔の中にいたからです。
ホテルを出る前、彼は私の作ったチョコレートケーキとクッキーをむしゃむしゃ食べて、「旨い、旨い!」と繰り返していました。その時、私が男だったら、この人のこときっと良い奴だと思うんだろうな、なんて考えていました。

恋愛を通して、自分の恥ずかしいところを知ることができる

 私は恋愛が上手ではないけれど、でも、恋愛をするのが好きです。だって、人を好きになると、そのおかげで私は自分の恥ずかしいところをたくさん知ることが出来るからです。私は男性にかなり高度な要求をしがちで、彼がその要求に決して応えないという現実に、向き合うことができないんです。そして、そんな自分を嫌いになりそうで、彼にそんなわがまますら、無理矢理愛してもらおうとします。相当疲れる作業です。

 でも、私はそういうプロセスを繰り返すことで、自分がどんどん変わっていけることが、嬉しくもあります。私が、私にしかできない経験をどんどん積んで、より”私”らしさを手に入れることができる気がするんです。
だから、そういうきっかけを与えてくれる男の子たちに、私はとても感謝しています。