魅力的な友達と、日々親密になっていった
高校1年生の4月、自然とできた女子のグループの中に彼女はいた。
私はグループが出来上がりかけの時に入って来たから、最初少しみんなと距離があった。そんな時に名前を呼んで私を輪の中に入れてくれたのは彼女だった。第一印象は可愛くて優しい子。
部活の体験入部に誘ったのは私だった。同じクラスの部員は私達2人だけ。部活終わりに遊びに行く事が増えて、どんどん仲良くなっていった。
今までの生い立ちが似ている事もここまで仲良くなれた理由の一つだと思う。
彼女は私に自分の辛かった過去だったり、先生の愚痴だったり、沢山の事を話してくれた。彼女は私の事を信頼してくれている、そう実感できるほどに。もちろん私も彼女の事を心から信頼している。
彼女の事を知れば知るほど魅力がある人で、本当に素敵な子だと思うと同時に、そんな子と仲良くなれた事が嬉しかった。しかし私は本当に酷い奴で、こんなにも素敵な人を傷つけてしまったのだ。
友達にひどいことをした、距離を置かれて当然だ
「おはよう」
「おはよう」
朝一番私達がする会話。
「今日の朝学の範囲ってどこだっけ?」
「405~415だよ」
私が毎朝聞いている。
「この後空いてる?甘い物食べに行きたい!」
「私も食べたかったの!」
部活終わり、ついつい話し込んじゃう。
でも今日は違った。丸一日話す事はなかった。
原因は私が彼女に酷いことをしてしまったから。
人生で初めてだった、仲のいい友達と話さない日があるなんて。
こんなにも最悪な気分なのに朝は来るし、めちゃくちゃ天気いいし、毎朝見る先の尖った靴を履いているおじさんは今日も一番端の席に座っている。何度ホームから落ちたいと思ったことか。
もちろん彼女は悪くない。
私が信頼を失うような事を言ってしまったのだ。
完全に私が悪い。何も文句は言えない。
距離を置かれて当然だった。
申し訳なかった。許して欲しいなんて思わないほどに。謝りたかった。しかしまあ私はこれまたどうしようもなく子供だった。
彼女の方から声をかけてくれた
彼女の方から声をかけてくれたのに、彼女は怒っていて当然なのに、謝りたかったのに、ついイライラしてしまって口調が強くなってしまった。ごめんね。
本当は2回とも私の方から声をかけて話し合わないといけなかったはずなのに、私の方に来てくれた。ごめんね。
仲直りする時に言ってくれた。
「そんな人じゃないってこと分かってるよ」
私がこの言葉にどれほど救われたか、会話の中で当たり前かの様に言ったあなたはきっと気づいてないんだ。
教室で泣くなんて恥ずかしいから、我慢するのに必死だったよ(笑)。
「ごめんね、酷いこと言って、最低な事して、本当にごめん、許してくれてありがとう」
彼女のように素敵な人になりたい
私はこれから彼女のような素敵な人になれるだろうか、彼女が私にしてくれたようなこと事を、私も出来るような人になりたい。
もし私がこれからも彼女と親友でいてもいいのなら私は一生彼女の味方でいる。私が守る。
私の事より自分の心配した方がいいよって言いそうだけど(笑)。
私の事を気遣ってくれて、心配してくれて、大切に思ってくれて、怒ってくれて、私の悪い所を指摘してくれて、信頼してくれて、いつもありがとう。大好き。今年の誕生日プレゼントにつける手紙にはそう書こうと思った。
「おはよう」
「おはよう」
今日もまた朝一番私達がする会話。
「今日の朝学の範囲ってどこだっけ?」
「『427~437だよ』」
今日もまた私が聞いている。
「この後空いてる?新作食べに行きたい!」
「私も食べたかったの!(笑)」
今日もまた、部活終わり、ついつい話し込んじゃう。
私は今日もまたいつもと変わらない毎日を過ごす。