私は現在専業主婦で、仕事はせずに育児家事だけです。結婚をする前までは幼稚園教諭、保育士として幼児教育の現場で6年間精一杯働いてきました。

そして、今後子どもが大きくなったら仕事はどうするのか、様々な視点から『働く理由』を考えてみました。

働く理由が、経済的な自立から人としてのステップアップに

学生時代は時給でのアルバイトではなく“働いて一定の給与をいただく=大人”のイメージが強く、とりあえずどこかに就職して経済面での自立の為に仕事を選びました。幼児教育を学ぶ学部にいたので、卒業後に幼稚園教諭になることは自然な流れでした。

幼稚園で仕事を始めた時はとりあえず毎日が楽しくて楽しくて、「働くって楽しい!大人っていいなぁ~!」といった、比較的働くことに対して楽観的に感じていました。もちろん、女性の多い職場ですから人間関係や、日々の業務に追われて疲れたり悩むことは多かったですが働くことへの苦痛を感じたことはあまりありませんでした。

しかし、職場に慣れて3年程経った時に、“さらに豊かな教育者になりたい”と思うようになりました。私の思う“豊かな教育者”とは、知識はもちろんですが様々な経験を積み、視野を広げ、広い世界観をも持ち、人としても感性豊かな人、といったところでしょうか…ずいぶんと偉そうなことを言っていますが…。

少なくとも園児も職員も少人数の園で、職員の入れ替わりもなく、行事も毎年あまり変化のない所でずっといるよりも、職員も園児も多く、様々な人が集まるところで違う形での保育の形や教育への考えなどを学び、感じたくなりました。

この頃から、働く理由が経済的な自立から、人としてのステップアップ(成長)に変わったと思います。

2つの職場で、働く楽しさと難しさを知る

職場を変え、最初の職場より人数の多い幼稚園で働いた事は私の中で大きな刺激となりました。

様々な考えの先生達や保育の形を見て感じて、毎日が刺激的でこれまた楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。出会う子ども達も多く、子ども達から学ぶことも多かったです。子どもの数だけストーリーがありますから。

そして、子どもの数だけ、保護者の数があります。保護者の対応も、とても勉強になりました。なのでこの職場は様々な分野で私の世界観を広めてくれたと思っています。職場を変えて良かったなと思いましたし、今もあの時に職場を変えて一歩外に出てみて良かったな!と思っています。

ただ、この二つ目の幼稚園は一年契約でした。一年で勉強し、次の一年はまた職場を決めなければいけませんでした。

3つ目の職場は近年増加しつつある『認定こども園』です。幼稚園と保育園が一緒になったところ、と言うとわかりやすいかもしれません。

ここでは率直に社会の厳しさや、働く難しさを強く感じました。周りの職員は20~40年勤務されたベテラン先生ばかり。

着任早々私は主任から恫喝、脅し、暴言を常に浴びせられました。時には手をあげ、叩かれたり物を投げられたりすることもありました。今で言う“パワハラ”ですね。それが原因でパニック障害とうつ病を患い、数ヶ月で退職となりました。

この頃は働く事が楽しいと全く感じられなくなりました。職場に行く事が怖い、上司に会いたくないといったことが頭の中を占めていたので、働く以上に生きる事が辛くなり、『健康に働くって当たり前じゃない』と感じ、働く難しさを知りました。

私にとって働く事は生きること!

その後、ご縁があり今の主人と結婚し、専業主婦となり子どもを授かりました。

一時は、更に豊かな教育者になりたい、働いて成長したい!と思っていた私が仕事もせずに専業主婦になって一年半。今の私は『働くって生きるって事だ』と感じます。

社会の一部となり、誰かの為に何かをする、そして自分自身も成長し、いい事やそうでない事、様々な経験をして人生の糧とする、そう感じます。

お金は生きていく上で必要だけどそれ以上にお金で買えない経験値を働く上で得られる。それってすごく幸せなのかな?と、今家で仕事をしていないと感じます。

やはり、ずっと家で子どもと旦那とだけの空間だと刺激も得られる経験値の幅も狭いですから…。

いつか子どもの手が離れた時にはまた働いてたくさんの経験を得ながら自分自身を成長させたいと思います。私にとって働く事は生きること!です。