彼とは、3年も付き合った。付き合う前は、馬が合う仲のいい異性同士だった。アニメや漫画の事を深く話し合える唯一無二の存在。

彼とのキスを「気持ち悪い」と思い、鳥肌が立ち彼を拒んでしまった

ある日、私の周りの友達が彼氏をつくり始めた。毎日それはそれは幸せそうな話を聞かされ、自分は恋愛に疎かったがその時ふと「羨ましい」と思った。

それがきっかけだったと思うが、私はバレンタインの日に彼に告白をした。今まで友達感覚だったのでダメだろうと思っていたが、なんと承諾を得てしまった。

その日から、私達は自分らなりのスピードで、恋人として歩み始めた。私は手を繋ぐことを躊躇う人間なので、キスやその先はもってのほかだった。彼も私を気遣ってくれていた為、私は彼に甘えていた。

付き合ってからというもの、ただボーーっと無駄な時間が過ぎていくような感覚には陥っていた。そこそこ幸せだったから、別に嫌という訳ではなかった。友達が、性的な意味で別れたなどという話を沢山していたが、何故そんなことで別れるのか考えもしなかった。

ある日、彼の家に呼ばれた。性的な事に無頓着な私でさえ、少し身構えていた。そして、予想は当たり彼がキスをしてきた。その時、私の中で「気持ち悪い」という感情がずっと叫んでいた。少し長いキスをしている間に服を脱がされていくと、鳥肌が立ち彼を拒んでしまった…。

彼も残念だっただろう、愛想を尽しただろう…。その時私は彼に謝ったが、彼は「嫌だったよね。ごめんね」と謝り返した。それはいかにも悲しそうな表情で…。

それからというもの、デートに行ってもその時の記憶がフラッシュバックしてしまい、無意識に彼と距離を保つようになってしまった。

女友達とじゃれあって頬にキスをされた。でも、気持ち悪くなかった

ある日、その事を友人に相談すると励まされ、冗談でじゃれあって頬にキスをされた。「あれ?」と、その時は全然気持ち悪くなかったのだ。彼女から醸し出すいい匂いが、何故か私の心を癒した。

そういえば、女の子と腕を組んだり手を繋いだりは嫌じゃない。私は気づいた。気づいてしまった。いや、気づかないフリをしていた。

帰り道、彼と歩いていると彼に「手を繋ごう」と言われて繋いだ。彼の事は好き。とてもいい人だし、話も合うし、よく笑うし…。けれど、ボディタッチなどは何か気持ち悪い…。もうこの先、キスやその先も一生できないんだろうと深く考えてしまい焦燥感に襲われた。

次の日、彼と帰るのを断って女の子の友人とケーキを食べに行った。ケーキを選んでいる時に、彼女に「これにしなよ」と手を握られて、よろけた私は彼女の肩にもたれかかった。「ごめんごめん」と彼女は笑顔だったが、私は自分の顔を見なくても赤くなっているのが分かった。

そして、確信した……。自分が本当は、同性者が好きなんだと。

同性が好きなことを彼に伝え、彼から「別れ」を切り出してくれた

次の日、私の家へ彼を自ら誘った。彼は驚いていた。そして、家の中で彼の手を握り、頬にキスをしてもらうと私は「ごめんね」と泣きながら謝った。

そして、今までの気持ち悪いと感じた事も全部話し、実は同性愛者だということも話した。

彼は、少し顔を引きづっていた。瞳に涙を浮かべながら私は、彼に本当に彼が好きだったと伝えた。だが、別れの言葉は中々切り出せないで無言のまま20分ぐらい経過すると、彼が「別れようか。今までありがとう」と切り出してくれた。

今では、彼に感謝しています。そして、私は私の恋を胸を張って叫んでいきたいと思います。