ごめんなさい、Yくん。
私のワガママ、焦り、コンプレックスが、あなたを苦しめ、傷つけました。
あのときあなたが想像してくれた未来が本当になったなら、2人は今も一緒だったはずなのに。
それを全て壊しました。

「いつか」の呪いに支配されていた日々

その年の私は、小学校の同級生と遠距離恋愛をしていて付き合いはじめから別れまで1度も会えなかった彼氏と別れ、久々に会った友人で処女を捨て、行為終了後に付き合えないと言われてしまい、フラフラしていた。

とくに求められてない現実を分かっていながらも、会おうと言われれば独り暮らしの我が家へ彼を招いて行為をした。「いつか振り向いてくれるかも」、「断ったら嫌われるかも」という思いが脳を支配していた。

スクールカーストトップのパーフェクトな彼との再会は私の胸を踊らせた

そんな私がYくんと再会したのは小学校のグループLINEがなぜか復活したからだ。彼は小学校でカーストトップだった。サッカーが得意で、イケメンで、たまに意地悪するけど、心は優しい。パーフェクトだ。

毎日LINEして、旅行した時は彼だけにお土産を買った。彼が帰省したタイミングで数人で食事をして、彼の住んでいる都市に買い物へいくついでに宿代わりにさせてもらって、お泊まりもした。

12月で街中はクリスマスで浮かれている。カップルも増えていて、初めて彼氏がいるクリスマスかも…なんて浮かれた私もいた。社会人の12月は師走で、営業職の彼は休日返上だった。お泊まりに行ったときも、半日出勤して、午後から買い物に付き合ってくれて、翌日観光に付き合ってくれたのだった。

彼の家でどっちが布団、ソファで寝るか揉めた時「何もないよ!」と私から一緒に布団で寝ようと言った。もちろん何かあった。その時の私は体を繋げて上手くいかない経験をしたくせに、Yくんは違うと信じて同じことを繰り返したのだった。

「気になってる子に一緒に寝ようなんて言われたら、寝れないよ」
その言葉を信じた。

体が繋がったから、繋がらない心をどうしても繋げたかった

もともと師走だから、クリスマスに休みが取れるかわからないと言われていた。
だけど彼氏と過ごしてみたくて、体を繋げたから心も繋げたくて、彼の言葉を聞き流し、クリスマスに何を食べよう?プレゼントは何を用意しよう?と考えていた。

私の病気は体も心も脳も蝕み、仕事は辛すぎて、職場で私が死ぬ説が流れていたらしい。
それでもプライベートでYくんのことを考えている時だけは、生きていい気がしていた。

だから「ごめん、やっぱり休みがとれない」
そうLINEがきたとき、この世の終わりと思った。仕事もプライベートも全滅、生きてる意味がない。

もしかしたら彼が心の片隅で残念がってくれたかもしれないのに、休みがとれるように頑張ってくれたかもしれないのに、相手を思いやる余裕がない私は「じゃあなにもしないで寝る」みたいな、可愛げのない言葉を送信した、悲劇のヒロインだった。

そこから彼ともちろん上手くいかなくて、LINEの返信は途絶えた。
本当に死のうと思い、でもなぜか笑っていて、壊れた私に上司は病院の受診を勧めたレベルだった。

苦しめていたあなたへ。最後に伝えたいことがあります。

Yくんごめんなさい。
あなたのキラキラした生活に背伸びをして話を会わせていました。同棲なんてしたことないし、恋人と海外旅行もしたことないです。記念日にサプライズで手料理を振る舞うような体験をしてきたあなたと、もし結ばれたとしても、経験値がそぐわなくて、さらにあなたを困らせたと思います。
半年もないくらいですが、毎日会話をありがとう。あの時の私は死にましたので、もうあなたを苦しめません。
永遠にさようなら。