医学部受験に敗れた私にとって、OLはコンプレックスだった
いつからだろう。何もできない自分、ばかりみるようになったのは。
いつからだろう。このままじゃだめだ、と焦るようになったのは。
今思えば大学受験の時大きな挫折が一つのきっかけだったような気がする。
医学部浪人、大学生兼仮面浪人生、医学部編入受験を経てわたしは会社に所属して働く“普通のOL”になった。
“普通のOL”いいじゃないか、羨ましいよ。と思う人は居るだろう。
ただ、誰にでもわかりやすいコンプレックスばかりがコンプレックスになるわけではない。
医学部受験に敗れた私にとって、“普通のOL”は、自分に負けた妥協策でしかなかったのだ。
“普通のOL”になって3年間は、たまたま配属された貿易系の業務に勤しんだ。
貿易という比較的専門的な知識と業務の習得、そしてお客さんへのアドバイス。
仕事はそれなりに楽しかった。
お金を持つようにもなって、おしゃれ、プライベートでの合コン飲み会。(むふふ……みたいなこともいっぱいいっぱいあった。)
ただいつもそこには、仕事での自分に満足できず、もがいている自分がいた。そしてプライベートの楽しさに逃げて誤魔化していることに気づかないふりをしていた。
2年間もがき、自分と向き合い、初めての転職をした
4年目になったとき会社で異動があり、これまでの業務よりさらに事務メインの仕事になり、事務が大嫌いな私はある時決壊した。
会社をサボりだしたのだ。とは言ってもチキンなのでクビにならない程度、だったが。
ついに誤魔化していることに向き合わなければならない時が来たと悟った。
まずは行動。転職エージェントに登録してカウンセリングを受ける、事業を始める可能性をさがしてみる。
仕事は嫌いだけど、その中でも何か好きなこと、吸収できるものはないか発想の転換をして挑んでみる。
そして考える。感情と向き合い、好きを集め、嫌いなことの好きな部分も探してみる。それに合う仕事は何かを考える。
ちょっと興味をそそられたものはなんでもやってみる。
(ちょっと極端だが、サーカスでよく見る空中ブランコにも挑戦し基本の習得もした。)
動いて、考えて、動いて、考えて、動いて……、何回くり返しただろう。
約2年間もがき、私は新卒で入った会社(金融業界)から、金融機関へのコンサル営業職へ転職し、キャリアチェンジした。そして、仕事とは別に、この2年間で出会ったご縁で、NPOでキャリアについて学生と話すことをボランティアでやっている。
“オリジナリティのあるOL”に辿り着いた今、思うこと
気づいたかもしれないが、もがいた結果、現段階の自分が選んだのも会社に所属して働くことだった。
ただ、わたしにとってもはや“普通のOL”ではない。きちんと選びとった“オリジナリティのあるOL”なのだ。
一見、“普通”と見えるようなものでも、自分で試行錯誤して自信を持って選んだものであれば、自分だけのオリジナルにすることはできる。
自分のオリジナルになれば、その仕事に意味を持って取り組み易くなる。
もっと言えば、過去選んだ新卒からの仕事も、“普通”ではなかったのだ。
たとえ、そこで満足していなくても吸収できること、そこから知見を広げて興味あることに辿り着くことはできるのだ。
何もできない、のではなく、そこに意味を持てるかどうか、何か残せるか、は自分が意識をどこにもっていくかどうかなのだ。
挫折やコンプレックスはなかなか手放せるものではない。
ただ、それがあるからこその人生を私は生きたい。みんなが同じ性格、同じ人生なら挫折やコンプレックスも世の中に存在しないが、個性も無くなってしまうのだから。