2020年12月、いよいよ仕事納めだと、年内に行う仕事を絞り出した頃、大好きな先輩、ロールモデルの部長、尊敬する本部長が会社を去ることを知らされた。

尊敬する先輩や部長や本部長の辞任を聞いて、「希望の糸」が切れた

ドミノ倒しのように一気に情報が伝えられたが「辞める」というワードを拾った後、わたしの脳みそは情報処理を放棄した。

2020年はビジネスとしても苦しい局面が続き、チームとしても部としても、クタクタな状態で、12月までギリギリのガソリン量でなんとか走行していた。その状況下で、最も優秀なプレイヤーが3人も抜けるという現実は「あと少し乗り切れば、きっといい方向に向かっていくだろう…!」という希望の糸をぷっつり断ち切った。

「何で?」と聞く余力など残っているはずもなく、黒いTeamsのミーティング背景を眺めながら、言葉通りお先真っ暗な気持ちで年末年始を過ごした。

職種や役割以上に大切なのは「誰と働くか」だと思う

今の会社に入るまで、バイトを3つ、長期のインターン3つと経験したが、その際に「何をするか」というポイントともに「誰と働くか」がとても大切だということを実感した。

というのも、正直なところ「何をするか」の部分に、わたしの希望を満たす仕事や会社は、日本国内でも探せばきっといくらでもある。就職活動の際に、日本にはこれほど多くの面白い会社があるんだと感動したのは記憶に新しい。だからこそ、最終的に決め手となるのは、そこで働いている人と自分が合うかどうか、すなわち誰と働くかということだ。

今回退職された3人は、わたしに「この会社でどうしても働きたい」と思わせてくれたキーパーソンだった。初めて先輩を見かけたのは、とある会社のインタビュー記事で、弱冠2年目にして最速で昇進をした彼女の仕事への姿勢や、これまでの実績に関する話はジャンプの漫画のヒーロー並みに圧巻だった。

部長と本部長とは主に面接の際に、議論したトピックに対する意見が、自分の人生観ととてもマッチしていて、一緒に仕事をしたら何が生み出せるのかとワクワクさせられた。運良く、この2年強で全員とお仕事ができたことには感謝しつつも、ぽっかり抜けた穴の大きさに絶望を感じざるをえなかった。

上手くいくかはわからないけど、人のエンジンもかけられる人になりたい

ポジティブなエネルギーと刺激を毎日くださった3人がいない会社で、これまで通りここに残っていていいのかと1月はモヤモヤしながら働いていた。

担当している仕事は楽しく、職種も好きだ。3人が抜けたとしても「何をするか」というポイントともに「そこで働いている人と合うか」も大きくずれることはない。

では何が問題なのか、と悶々としていた時に見た『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』というドラマで、菅野美穂さん演じる水無瀬碧が言ったセリフが心に明かりを灯してくれた。

「誰かのために何かやれるって、幸せなことなんだよ。自分のために頑張れることは、たかが知れてる…気がする」

2020年がかなり厳しい1年だったからこそ、自分のためだけではなく、チームのために何かできないか、全体でいい仕事をしていこうという環境がしっかり作られていた。それはこれまで本部長や部長、先輩が意識的に作り出してくれたチームの雰囲気だ。3人が一気に抜けたことで、残されたチームにはその良い空気感が薄れてしまっていた。だから、こんなにも大きなロスを感じていたのだ。

3人がこれまでやってきたように上手くいくかはやってみないとわからないが、これからは自分だけでなく、人のエンジンも一緒にかけていけるような働き方を、今の職場で試してみたい。

だから、わたしはもう少しだけ、ここで踏ん張ってみようと思う。

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/cc965477310678ccb7928c34845577203532138f