どれもこれもクソ高い。
国よ、補助金を出してくれ。
こんなもん、ただでさえ生涯収入が低いメスという性別では手が届かない……。
フェムテックに対して、それが私の思うことだ。
便利でありがたい「フェムテック」だけど、どれも高すぎる
フェムテック(FemTech)とは、FemaleとTechnologyをかけ合わせた造語だ。女性が持つ健康課題をテクノロジーで解決できるサービスや製品のことである。
一番人口に膾炙しているのは、やはり『ルナルナ』だろう。低用量ピルや月経カップ、ナプキンがいらない超吸収生理ショーツもフェムテックに入る。他にも、出産を機に衰えやすい骨盤底筋を鍛えるための『Elvie(エルビー)』なんてキットもある。どれも便利でありがたいテクノロジーだ。だが、私が実際に使うことはほとんどない。
それは、どれもこれも値段が高いからだ。低賃金でほそぼそと暮らしている独身メスの私には、とても手に入るものではない。
低用量ピル入手のハードルの高さよ。まず、忙しい合間をぬって婦人科に行かないといけない。使用可能かどうかの血液検査で何千円も飛ぶ。それをクリアしても、低用量ピルそのものが高い。保険適用がきかなければ一月3,000円くらいかかる。何年も使えば、どれだけの出費になることか。
そして、超吸収生理ショーツの値段の高さ。インターネットで調べたら価格はまちまちだが、安くても1枚で5,000円以上する。どこの貴族の下着だ。こちとらイオンの3枚1,000円のショーツだ。
人口の半分である女性が使う商品なのに公的な補助がないことについて
私は、かろうじてルナルナ無料版だけは使っているが、はるかに機能が充実しているルナルナ有料版にはとても手を出せない。使えれば便利なことこの上ないのだが。
フェムテックは高い。貧乏人には縁がない。これが、現時点での私の結論である。
一応、フェムテック側に立ってみよう。開発費がかかるのはわかる。それを回収しなくてはいけないのもわかる。でもこれは、あまりにも値段が高すぎはしないか。
ところで、生理用品の消費税は10%だ。生理のある女性ならほとんどが使うものなのに、これはおかしいだろうという声が広がっている。
私は、フェムテックにも同じような声をあげたい。女が女として、QOL(クオリティ オブ ライフ)を低めずに暮らすためのテクノロジーなのに、人口の半分が使う可能性のあるテクノロジーなのに、公的な補助が何もないのはおかしいと思うのだ。
フェムテックを一部の経済強者の女性のものにしてたまるか。低賃金で青息吐息で暮らしている女にも使えるようにしろ。いや、してやる。
どんな人にも生理その他の「女性の健康問題」で苦しまない権利がある
そこまで気を吐いても、私にできることは、首相官邸や各政党にメッセージを送って自分の意見を伝えることだけだ。
でも、それだけでも声は広がっていくと思っている。そして、今書いているこの文章でも、フェムテックを変えられるのではないかと考えて、思いを込めている。
貧乏人にもフェムテックが使えるように、フェムテックを変えたい。フェムテックが貧乏人にも使えるように、世の中を変えたい。私が考えているのは、そういうことだ。
貧乏人にだって、QOLを追求する権利がある。貧乏人にだって、生理その他の女性の健康問題で苦しまない権利がある。そのことをもっと大声で、世の中に知らしめたい。
それが実現した日こそ、真に女性は救われたと言えるのではないかと思うのだ。