私があなたを振った理由?

そんなの簡単。あなた以外に付き合っている人がいたから。
あなたが私を振った理由もきっと簡単で、あなたに付き合っている人がいたから。

見栄を張らずにいたら、私たちの「関係」も変わっていたかな?

一度別れた2人、どちらかが寄りを戻そうとしても、いつもすれ違っていた。連絡を取れば心地がいい。別れたはずなのに、メールやLINEの通知が嬉しいし、楽しい。“可もなく不可もなく”、言葉にするとそんな感じ。“都合がいいだけ”、そんな言葉も当てはまるのかもしれない。

でも、そんな言葉であしらわれたくなかった。そんな軽い言葉で終わらせたくなかった。きっとお互い好き同士で、まだ想い合っていて、だから連絡を取るし、会いたくなると思っていた。

「よりを戻そう」「やり直そう」と見栄を張らずに、どちらかが言い出すか出さないかだけで、時間の問題だと思っていた。

でも、現実はそうではなくて、あなたに彼女ができた。「私と付き合いなよ!その方が楽しいよ!」と根拠のない自信をぶつけつつ、寂しくて悔しくて、私も彼氏を作った。

しばらくすると、あなたは彼女と別れた。「俺とより戻せば?」そんなことを言われながら、私は彼氏と別れなかった。

私はあなたの幸せを「100%の気持ち」で祝うことができない

私が彼氏と別れると、あなたにはまた別の彼女がいた。「俺と」「私と」という言葉のはじまりが、“タイミング”という単語に変わった。

「タイミングが合わないね、だから別れたんだね」その言葉が口から出てしまうと、もうどうにもできなくて「そんなことないよ」と言えなくて、諦めざるを得なかった。

お互い好き同士であることに、変わりはないと思っている。それは、一度付き合っていたからといわれれば、そうかもしれないが、本当に嫌いになって別れたわけではないから、少し「好き」という気持ちが残ってしまっていて。

もう二度と会いたくない元彼もいる。SNSで見かけても、ふーんと思うだけの元彼もいる。でも、あなたの幸せは、100%の気持ちで祝うことができない。こんな気持ちになるのは、今のところあなたにだけで。

あなたのパートナーが「私だったら」ってどこかで考えてしまう

別れてから数年が経ってお互い結婚して、あなたには子供もいる。直接連絡を取ることはないとしても、SNSで繋がっているし、連絡先だって知っていて、会おうと思えば会える距離にいる。SNSは便利で、元気かどうかはだいたいわかる。最近の写真だって見ているし、見せている。お互いのパートナーの顔だって知っている。

でも、なぜだろう。あなたの笑顔を見ると、なんだかチクっとする。表現が難しいけれど「私だったらな」って、どこかで考えてしまうし、そんな夢を見ることもある。

残された少しの「好き」の気持ちが消えない。そりゃそうだよね。消えるきっかけがない。何か大喧嘩でもすればなくなるかもしれない、けれどそんな機会もさらさらない。

別れるとその人のいいところしか残らないというが、そういうわけでもないと思う。嫌なところだってたくさんあった。今思ってもムカつくし、あんな奴別れて正解だとも思っている。

それでも残っている「好き」の気持ちは、量は少ないのにすごく根深い。心の奥底にいるから表面上の嫌いでは届かない。なんとも罪深いやつだ。

あなたにもあるといいなと思う。この、たまにチクッとする心の奥の少しの「好き」の気持ちが。少しでも私を思い出してくれる時間が。