お待たせしました!福田萌子賞!

生活音の中で一番好きな音。電気ケトルが沸く音を聞くとワクワクする:海音

ケトルが沸く音が凄く好きで楽しんでいる様子が、言葉一つ一つから溢れていて読みながら笑顔になりました。全ての情景が鮮明に目に浮かぶのと同時に、描かれていない10代後半の作者さんの生活を想像して楽しみ、まるでジブリアニメを観ているかのようでした。
お母さんや家族との思い出、そして恋人との時間を共有する中に寄り添っている習慣。
その日常に溢れる美しい時間を楽しんでいる姿が何より素敵です。
重なっていくケトルを介した想い出をまたいつか聞けるのを楽しみにしています。

 そして次点…!

【次点】線路の下をくぐる地下通路に、私は吸い込まれる。そこには当日限りの小さな反省が眠る:女子大生の世迷言

その地下通路自体が脳の中で、いつもよりも少し丁寧に思い返して反省したい時に自分の身体を使って中に入り、整理をして、出口(解決策)を見出している姿が目に浮かびます。
日常を感性豊かに歩むだけでいつでも自分が切り替えられる。
その、人それぞれの感性が今回のテーマ【わたしの感性】として読みたいなと思っていた感覚のお話でした。”地下通路をくぐる”中にある作者さんだけの物語、興味深く読ませて頂きました。頭の中(感性)を少しだけ覗かせてもらった気分です。
有難うございました。

【次点】「歳の差5000歳以上って!」と言われるけど、私の推しは変身後の方:たなたなか

短いエッセイの中で、笑えて、考えさせられて、納得できる。表現豊かな文章に取り込まれました。
まさに『愛の形は十人十色』!当たり前は人によって誤差が出てくるし感性は完全に重なる事はないので自信を持って楽しみ続けてください。

因みに私は地球人にも惹かれますが、もののけ姫と犬夜叉は永遠の憧れです。グッズを集めたり写真を撮ったりなどはしませんが、サンの様に山を熟知し自由に駆け回れるようになりたくて、休日は山通い。ビル群を見ると、もしも私が犬夜叉だったらどこを足場にして飛んで移動するかなと妄想に耽ったりします(笑)

【佳作】

①マグカップは私のために命を全うしてくれた。常識離れした私の擬人化力と日常の生活:四月一日雀

②「タオルや鉛筆は生きている」。普通になりたかった私は、その感性を封印した:南なみ


③動物たちはもちろん、植物や電柱、信号機や風車などにも心があると思っている:さち子さん

自分の周り全てに感謝をし愛を持っているからこそ人間や動物だけではなく物にも丁寧に接して語りかける。自分の持っているモノなら尚更、思い入れが強いので声が聞こえる様な感覚になる。
これってとっても素敵で誠実で、”当たり前”のこと。私は華道の先生から、『猫目柳をもう少しカーブさせたい時に「こちらに曲がって下さいね〜」と言って丁寧にしならせると綺麗に曲がるわよ』と教えてもらい、ピアノの先生からは『鍵盤に感謝をして優しく扱ってあげると良い音がなりますよ』と言われました。
両親はお庭の桜の木に家族の名前を付けていて、春になると母から『今年も萌子ちゃんは満開です』とお写真が送られてきます。身の回りのものを、物としてだけで捉えるのではなくその物の役目を全うして生きていると心を持たせて見ると、この世界はとっても楽しくてもっと美しい。
皆さんの美しい心が映し出す感性を垣間見せてくれて有難うございます。それぞれの素敵なストーリーに胸がほっこりしました。