友人二人に彼氏ができ、焦りと不安を覚えた

大学に入って間もないころ、浪人して、文転して、志望校に落ちて、そのうえ私立に入学してしまった私は、人生のどん底にいた。何か自信を持つことができるようにと、資格を取れるコースを選択した。そこで出会ったのは、私が好きになる先輩だった。

まずその人に出会ったのは、大教室の授業だった。クラスでグループを組まされた中にいたのが2学年上の先輩。新入生がいっぱいいて、わちゃわちゃしている中で、落ち着いたその人は出会った時からキラキラして見えた。
その授業では、グループ発表をしなくてはいけなかったのだけど、8人グループはまとまらず、運よく仲良くなった友人二人とその先輩との4人で発表を作ることになった。

グループ発表を作る中で、自分と先輩が同じ資格コースをとっていることを知り、わからないことを教えてください、というのを口実に、少しずつ話せるようになってきたそのころ、私の友人二人から、彼氏ができた、という報告があった。
「おめでとう!」と口では言いつつも、心では焦りが出てくる。この二人が初めての友達だし、彼氏さんと付き合うんだったら、私は一人になってしまうかもしれない、という不安が出てきたのも一つ。私も彼氏ほしいなあ、がもう一つの理由。

初めての彼氏ができたそのとき、鼻からぬるっとした液体が…

そこで、輝いて見えてきたのが、あの先輩だった。授業が前期で終わり、半年がたってもたまに廊下ですれ違うと、話したり、挨拶したりする程度には仲が続いていて、ときたまラインを送ったりもしていた。

彼氏ほしい、という意識をしだしてから、急にこの先輩がもっと目に入るようになってきて、本当に寝ても覚めても先輩のことを考えるようになり、「よし、告白しよう。」と思ったのは2年生が始まってすぐくらいの時だった。この当時、私の頭の中の8割くらいをその先輩が占めていた。

「先輩、付き合ってください。」と言ったら、「いいよ」と返事が。そのあとからの流れが私には早すぎた。男友達もいないし、初めての彼氏だった。

告白をした後、小さい教室で一緒にレポートをしていた私の体に異変が現れた。鼻からぬるっとした液体が出てきたのである。
小さい時から、感情が高ぶると、涙と鼻血が出る子供で、それは大学に入ってからも、徐治ってはいなかった。

その時持っていた、白いタオルは真っ赤に染まり、トイレに入って冷やしても、私の鼻血は止まらなかった。先輩はそんな私を見ても、引きはせず、大丈夫?と声をかけてくれ、ついでに荷物をもってトイレにこもる私を待っていてくれた。
でも、鼻血を出してから、私の頭には「恥」の一文字しかなくて、それ以降先輩と話すのも、かおを合わせるのも、いやになってしまった。

恥ずかしい私を見られた。その思いにとらわれてしまった

次の日から、ラインを無視し始めたが、それでもラインをくれるので、ラインではなくメールで連絡してください、といっても、今度水族館に行こう、デートに行こうという誘いが来る。
7日後、私はメールで、「別れてください。」といった。理由をきかれたが、答えずいると、先輩も「わかった。」と言ってくれて、先輩と私はそこから何の関係もなくなってしまった。

振り返ると、連絡を取り続けてくれた先輩もちょっとは私を好きでいてくれたのだと思う。でも、私は、恥ずかしい私を見られたことで、好きになってもらえない、という負の感情と、恥の思いにとらわれてしまって、それ以上の関係性を続けられなくなってしまった。

今も、私は一人で、先輩以降付き合った人はいない。あの時、長く付き合っていれば…。
と思っても後の祭り。好きだったけど、好きすぎたのか、慣れていなかっのか、私には早すぎたのか。付き合うって難しい。