初めて恋に落ちた人はDV男でした。

高校卒業後、実家を離れ大学進学のため県外で一人暮らしを始めていました。初の一人暮らし、憧れの学生生活がスタートする、私の頭の中は希望で満ち溢れていました。同じ大学で出会った彼。当時は、いつも面白くて紳士で年上の彼にいつの間にか惹かれていました。

極度の束縛や怒鳴る叩く蹴るなどの行為が毎日のように繰り返された

付き合い始めて半年たったある日些細な喧嘩をきっかけに彼の本性が現れ始めたのです。19歳の私は自分が危険な状態にあることすら気づかないほど彼に夢中でした。極度の束縛や怒鳴る叩く蹴るなどの行為が毎日のように繰り返されるようになり、仲良しの友人とはだんだん距離を置くようになり、ほとんどが彼と2人で過ごす時間が大半。好きな気持ちとこのままではいけない、お互いダメになってしまうと心の中で思っていた反面、彼に反発すると何をされるかわからない事もあり、自分ではどうしようもない状態となっていました。

そんな生活が一年ほど続いていましたが、顔だけは一度も手は出されたことがありませんでした。しかし、ある日この生活に耐えきれず別れ話を持ち出したところ、ついに顔まで殴られるようになり明らかな変化に気づいた友人が警察に通報してくれた事をきっかけに彼から抜け出す覚悟ができました。

その後も彼からの脅迫めいた行為は1年ほど続きましたが行き先を隠したまま引っ越しを行い、電話番号などの連絡手段は全て新しいものに変え、彼とのつながりを完全にたつことによりようやく別れることができました。

兄に言われた言葉 その言葉を言われた瞬間、とても腹が立った

それから5年が経ち、物理的に離れた場所に住んでいますが心はなかなか彼の支配から離れることはできず精神的に辛い日々が続いていました。いまだにトラウマからは逃げ出せず、人を好きになるのが怖くなっていましたが、何人かお付き合いした男性はダメ男ばかり。もう恋愛において男性を信じられなくなりました。
私の口癖は「私って本当男運がない」
本気でそう思っていました。

そんな私にある時、実の兄が言いました。
「男運がないんじゃない。お前が男をダメにしている」
2つ上の兄は小さい頃から仲良し兄妹で大人になった今でも変わらずの関係でした。そんな兄にその言葉を言われた瞬間、とても腹が立ちました。
私の気持ちわからないくせによくそんな言葉が言えるなと。

前向きな人生を送るためには言い訳しない、兄の言葉で気付かされた

しかし、時間が経ちその言葉についてよく考えてみると言い訳し続けていた自分の人生ばかりが思い出されました。
私の事を知っている兄だからこその言葉なんだとだんだん実感していきました。
辛い経験は自分のせいではないと心の中でずっと思っていました。付き合った相手のせい。運が悪かった。何かしらの言い訳をしてきました。

今思うと自分がもっと相手にちゃんと伝えるべき事を伝えていたら、もっと自分に芯があったら、いい方向に進んでいたかもしれない。
前向きな人生を送るためには言い訳しない、兄の言葉で気付かされました。

言い訳しない人生を送るために、まずは自分自身もう少し自分のことを大切にしてみようと思います。