「酔っ払って電話しちゃった~」そう言って楽しそうに電話をかけてくるのは、別にいいのだけど、わたしと君との関係は一体なんなのだろうね。

君の気まぐれで一方的にかかってくる電話。

寝落ちするまで電話に付き合ってくれるなら、別に君じゃなくていいの

わたしは今学生で、君はシフト制の社会人。いつなんの勤務なのかがわからないから、こっちから電話をしたってどうせ出やしない。わたしも気分で、出たり出なかったりするけれど、最近は出てしまいがち。なんでかって?

そう、寂しいから。別に君じゃなくてもいいんだ。ただ、夜中にふと起きてしまい寝付けない夜に、寝落ちするまで電話に付き合ってくれる相手ってなかなかいないんだよ、この歳だと。

だから、夜中に鳴った携帯の名前を見て「あぁ、また君かなんなんだ」と半分迷惑に思いながらも、ついつい出てしまう。別に君との会話は、ちっとも楽しくないとわかっているのにね。

君との関係は、始めはただのお友達。歳が近くて話しやすい、たまたま行動するタイミングが一緒だった人。ただの顔と名前が一致してる人。

だんだんとその関係が崩れたのは、やっぱり男と女だったからなのかな。気づいたら2人で会う関係になって、そしておかしな関係になってしまっていた。おかしな関係になったとしても、お互いにパートナーがいなくて、きちんとそこに愛があったのならまだよかったのにね。

どうして君との関係をわたしは「完全」に切ることができないのだろう

君にはわたしと出会うずっと前から、綺麗な彼女さんがいて、なのに酔って電話をしてくる相手はわたし。彼女さんとは遠距離で会えてなくて、でも会おうと思えば会える距離で、だったら寂しいよって会いに行けばいいのにって、いつも思ってる。

わたしと会う時間はあるのに、なんで彼女さんへの時間は作らないの? 飲みに行く時間はあるのに、どうして会いにいこうとしないの? その疑問を抱えながらも、わたしとは物理的距離が近くて、気づいたら会ってしまっている。なんでなのかな。

初めはあったはずの罪悪感が、快感へと変わり優越感となり、今ではそれすらも過ぎ去ってただの迷惑と少しの安心感。誰かに必要とされているという暗い暗い喜び。正直、中身のない女好きのゴミみたいな、話も特別面白いわけでもない君に好かれても、嬉しくも何ともないし迷惑でしかない。

そもそもわたしの好きなタイプは、自分より偏差値が高くて頭の回転の良い人で、君はわたしよりも30も偏差値が低いし、頭の回転も悪い。身長が高いのは好きだけど、顔の見た目もそこまで好きではない。

何より君の一番嫌いなところは、女遊びが激しいところだ。長く付き合っている彼女さんがいるくせに、たくさんの女の子と遊んでいて、その内の一人がわたしなのだ。

わたしをその中に巻き込まないで欲しかった。ただの友達でいたかった。わたしは君に彼女がいると聞いた時から、君のことをそう言う目で見ていなかった。それなのに、君はわたしとの関係を壊した。そのことを今でも君を許せないのに、どうして君との関係をわたしは完全に切ることができないのだろうね。

わたしには君への気持ちが、ただの依存なのか、愛なのかわからない

夜中の電話で、君が今日会ってきたキャバクラの可愛い女の子の話をされても困るし、適当な返事をすると怒るし。挙げ句の果てに、君はいつもわたしにこう言うんだ。「ねぇ俺のこと好きでしょ?恋というより愛でしょ?」って。

なんて自惚れなんだろうね。男と女の中になってしまったからって、どうして愛されてると思えるの。なんて都合のいい解釈。もしも、ここでわたしが「そうよ、愛してるよ」と言ったところで、彼女さんと別れる気もなければ、女遊びを辞める気すらないくせに。

そもそも愛をくれようという気持ちもなければ、愛のなんたるかも知らないくせに。一方的に、わたしからの愛だけを求めようとしないで。結局、中身のない関係だけを続けようとするくせに。

でも、今のわたしには、君への自分の気持ちがわからない。これはただの依存なのか。愛なのか。だから、そっと君に問うのだ。「愛してほしいの?」と。