大学2年の時、高校時代の友人との飲み会の席で、私の心はキリキリしていた。
友人の一人が他の男性陣から「童貞いじり」をされていたからだ。

当時、私は俗に言う「処女」だったので、周りから「処女」であることをいじられないかといつもヒヤヒヤしていた。
結局、人生で「処女いじり」をうけたことは一度もなかった。
それでも、飲み会で女性経験が少ない男子がネタにされていると、自分が馬鹿にされているようで苦笑いしかできなかった。

大学生になってすぐに「処女」を卒業できると思いきや…

今これを読んでいる人の中には、「処女」であることを悩んでいる人もいれば、そんな時期もあったなあと思っている人もいるだろう。
後者になった今だから言えることかもしれないが、これだけは断言しておく。
「処女」であることを悩む必要は全くない。

そもそも論を語れば、「処女」や「童貞」といった言葉の定義が曖昧すぎるし、意味を調べてみると内容が男女の恋愛に限られており、現代にはふさわしくない言葉だと思う。
それでも、ヴァージンや処女という言葉に悩み、翻弄される女性は多くいる。
私もその一人だった。

大学生になってすぐに「処女」を卒業できると思いきや、バイト先で仲良くなった先輩と付き合うも、訳あって体の関係に至らずに別れたため、「処女」を卒業できずにいた。
そんな中、周りの友人は軽やかに経験を積んでいった。
楽しく恋バナをしていても、みんなの話に付いていけてない気がして、勝手に劣等感や焦燥感を感じることもあった。

女性は自分が未経験であることを恥ずかしいと思う傾向にある。
私自身、「処女」であることが悟られないように知ったかぶりをしたこともあった。
「処女」仲間の友人とは「早く卒業しようね!どっちが先に卒業できるか勝負ね」などと話したこともあった。

経験すれば自分のレベルがUPするわけではない

一方で、「処女」に価値を見出している男性もいた。
「処女」=「清純な女性」だという思い込みをしている人もいるようで、「経験ないの?」とニヤニヤしながら近づいてきた男の先輩にはさすがに吐き気がした。
それ以降、自分の恋愛経験を人に話さなくなった。
なんでみんな卒業しているのに自分は「処女」なんだろう?
このまま一生「処女」なのかな?
人生最大の悩みと言っても過言ではないほどに悩んだこともあった。

しかし、俗に言う「処女」ではなくなった今だから言える。
そんなに悩む必要はない!!
そんな時間あったら何か楽しいことに時間を使った方が有意義だ。
なぜなら、人生においてSEXが一番重要ではないからだ。(人によるけど)
だから、経験すれば自分のレベルがUPするわけでもなければ、社会的に偉くなるわけでもない。
私自身、経験から何か得られたかというと、特に何も思い浮かばない。
強いて言えば、出産の痛みを想像して少し怖くなったくらいだ。

いつかは「処女」という言葉さえ無くなればいい

それよりも、重要なのは妊娠や性病のリスクがある中で、本当に性行為をしたい相手なのかどうかだと思う。
そう思える相手が見つからなければ、無理に経験する必要はない。(そんな訳ないと思う人は、「逃げ恥」に登場する「ユリちゃん」を見ると勇気をもらえるので勧めておく。)

「処女」を卒業したいという思いだけで性行為を経験し、身体的にも精神的にも辛い思いをした人もいる。
「処女」であることに善悪はないし、早く卒業すればいいというものでもない。

だから、「処女」である自分を責めることだけはしないでほしい。
あなたはあなたらしく生きればいい。
タイミングがあれば経験すればいい。
機会がなければ経験しなくたっていい。
人生楽しくやっていける。

ダイバーシティの重要性が浸透しつつある社会で、恋愛に性別は関係ないし、ジェンダーなどは飛び越えていくべきで、これまでの価値観は少しずつ変わっていくだろう。
その流れで、いつかは「処女」という言葉さえ無くなればいいと思う。
だから、下の世代が悩まずにすむ未来を作るべく、私は叫び続ける。

処女で何が悪い!!!!