私は大の動物好きである。特に好きなのはうさぎ。
ぴんと立った耳もくりくりしたお目々もひくひくした鼻も全てが愛しくてたまらない。
そんな大好きなうさぎちゃんがついに我が家へやってきた。去年のことである。
両親は私と同じく動物好きで、家がペット禁止だったりアレルギー持ちの家族がいるということもない。なのにペットを飼ったことがなかった。(私は幼かったので覚えていないが厳密にいうと一度、金魚を飼ったことがあるらしい…。)
それはなぜか。
いつかペットが死んでしまうことが嫌と、私が頑なに拒んだからだ。生きているものには必ず寿命がある。人間も動物も同じ、自然の摂理だ。
十分理解していたけれど、動物は確実に自分より先に死んでしまう。ただただそれが怖かった。
自分の目の前から誰かがいなくなることが耐えられなかったのかもしれない。
いつかは亡くなってしまう。居なくなる恐れから、共に過ごす日々の幸せを考えた
小学生の時、ひいおばあちゃんが亡くなった。そして初めて死というものの怖さを知った。
この間会って、一緒にスイカを食べたひいおばあちゃんにもう会えないだなんて考えたくもなかった。
魚市場に行った時は、周りが意気揚々と魚を見ている中一人で泣いていた。
お魚が可哀想。
切り身になって売られている魚しか見たことがなかった私は、死んだ魚が並んでいる光景が異様にしか見えなかった。料理が趣味だが、今でも切り身になっていない魚の調理は抵抗があって挑戦したことがない。
そんなこんなで幼い頃の私は、絶対に自分の目の前からいなくならないお人形が大好きで、肩身離さず持ち運んで遊んでいた。
いつからだろうか。
必ずお別れが来るということが分かっていても尚、ペットを飼いたいと思ったのは。
明確なきっかけというものはないけれど、18年生きてきてやっと自然の摂理を受け入れられたのだと思う。
それに動物は私が飼おうが飼わまいが、どちらにしても寿命が来たら亡くなってしまう。
それなら家族になってたくさん楽しい思い出を作った方がきっといい。そう考えることができたから、ペットを飼うことに踏み切れたのだ。
もふもふの愛しのうさぎ。この状況で隣にいてくれてよかった
と、ここまで暗い話が続いてしまったので、最後にうさぎの可愛さについて語って締めようと思う。私の一番好きなうさぎのパーツは鼻だ。
寝ている時以外は常にぴくぴくと動いていて、何もしていなくてもすごく可愛い。もはや存在そのものが可愛い。
飼い始めてからミッフィーのイラストはかなりうさぎに忠実なことがわかった。あのばってんの上部分が鼻で、下部分が口になっているといえばわかるだろうか。
人間が鼻をぴくぴくしても何も可愛くないのに、うさぎがやるとあんなにも可愛いのだから不思議なものだ。
前代未聞のウイルスに悩まされてストレスが溜まる今だからこそ、ペットを迎えることができてよかったと思う。たとえ嫌なことがあっても、うさぎをもふもふして愛でればどうでも良くなってしまう。
大切な人が増えるというのはいいものだ。