女性として生まれたことに関しては正直何も思っていないが、月に1度、1週間だけ「女の身体に生まれてなければ」と思うことがある。
それは、まず下腹部の微妙な痛みとともにやってくる。トイレに行って下着を脱ぐと、経血が着いていて、「今月も来たか……」と憂鬱な気持ちになる。お腹の痛みが強くなって、鎮痛剤を飲むようになる。外出先で手元になくて、ドラッグストアに走ったことも何度もある。ナプキンもしかりだが、一体いくら費やしたんだろう。

生理の1週間は憂鬱で、女性に生まれてきたことすら嫌になる

一番重いのは2日目で、とにかく経血の量が増える。濡れている感覚が気になって、何度もトイレに行ってナプキンを取り替えてしまう。腹痛も治まらないので仕事に集中できない。何となくイライラして、他人にきつく当たってしまっていないかも心配だ。自分でもこんなに普段との違いを実感しているのだから、周りの人にもバレているんじゃないかと一日中ソワソワしてしまう。

しかし、更に注意しなければいけないのは3日目である。経血は一気に減って、生理痛もほぼなくなるのだが、気が緩んでナプキンを変えるのを忘れがちになる。そのため、気づいたらナプキンがずれていて洋服に経血がついてしまった、という最悪の事態に陥ったことが何度かある。公共トイレで服に着いた血を落とすのは、なんともみじめな気持ちになる。

他人と比べたことがないからわからないけれど、これでもPMS(月経前症候群)はあまりなく、生理痛も重くなく、経血量も多くない方だと思う。それでもこの一週間は憂鬱と不安で押しつぶされそうになって、女性に生まれてきたことがとてつもなく嫌になって、人生にまで否定的になってしまうこともある。

一歩踏み込んだ世界を作りたい。いつか生理中でもワクワクできるように。

最近はナプキンの種類も豊富で、「多い日も安心!」「薄くて軽い着け心地!」など様々なうたい文句とともに売られている。また、デリケートゾーンの洗浄液など、生理グッズもたくさんある。生理の痛みやしんどさが少しでも軽減されるように、メーカーの方々が日々商品開発に励んでくださっているおかげだ。

でも、ふと考えてしまう。
そこから一歩踏み込んで、「生理にワクワクする」はできないだろうか。
さすがに「明日から生理だよっしゃー!」とはならないかもしれない。でも、「次生理が来たら、これ使ってみよう」「これを使ったら、イベントと被っても大丈夫だ!」など、生理に対して少しでもポジティブな気持ちになれる製品ができたら。「不快感をなくす」「快適に過ごす」より先の「生理中でも気分が上がる」が達成できたら。

ナプキンなのか、他のグッズなのか、それとも体調を記録するスマホアプリなのか。
もし生理にワクワクするモノやサービスが生まれたら、「女性の身体でいるのイヤだなウィーク」が「自分の身体と楽しく向き合えるウィーク」くらいになるんじゃないかな。
高望みしすぎだろうか。

それでも、初潮から閉経まで、女性は人生の大半を生理とともに過ごす。だからこそ、ワクワクしながら過ごせる日がいつか来たらいいなと思いながら、今日もトイレでナプキンを取り替えた。