先日、とある女性芸能人の再婚を伝えるネット記事を読んだ。離婚後、約2年での子連れ再婚。
内容自体は、流し読みする程度でさほど気にならなかったものの、目に留まったのはその記事へのコメント達。
「2年は早すぎる」
「前の旦那と時期被ってない?」
「子供のことを全然考えていない」
「母親よりオンナを取った結果だね~」

私はもちろん、この芸能人とは何の面識もないが、さすがに有る事無い事言い過ぎだろとツッコミを入れたくなるほど下世話なコメントで溢れていた。
2019年度の人口動態統計(厚生労働省)によると約3組に1組の夫婦が離婚している今の世の中、シングルマザーも少なくないと思っていたが、まだ世間が彼女達に向ける目は冷ややかで、再婚も許され難い手厳しさを感じた。

歯がゆくなった。妊娠がなければきっと結婚まで行かなったのでは…

先日、ママ友の一人が離婚した。
彼女は、いわゆる授かり婚というヤツで、出産する直前に籍を入れ、出産後わりとすぐに相手とお別れした。
あまりのスピーディーさに「どうして結婚したの?」と周囲からは総ツッコミだったが、彼女は「結婚していたほうが子供にとっては良いと思ったけど、元々相手が結婚に向かない人だったから私が我慢出来なくて別れた」とあっけらかんと内情を話してくれた。
そして「早く我が子を大事にしてくれる新しいパパを見つけて、弟か妹を作ってあげたいな~」と、またまた総ツッコミの一言を口にした。

私はどちらかと言うと、結婚・離婚に関しては寛容なタイプだと自分では思っていたが、先に述べたシングルマザーになったママ友の発言にはあまり良い印象を抱けなかった。
失礼な言い方だが、そもそも妊娠も無計画。生まれてきた子には何の罪もないが、妊娠の事実がなければきっと結婚まで行きつかなかった関係であったからこそ、歯がゆくなってしまう。

夫婦のみなら別れることは容易でも、子供がいるとなると話は別

「授かり婚」と上品な言い方に近年では変わりつつあるが、あくまで私の中での認識は「できちゃった結婚」に変わりはない。
自分が子供を授かりたいときに授かれず、もどかしい思いをしたこともあるから、予期せぬ妊娠により不快感が強まってしまうのかもしれない。
また、離婚の理由を聞くと、そんなに簡単に結婚を決意し、反対に離婚の判を押して良いものかと辟易してしまった。

結婚とカップルとして付き合う感覚が、まだごちゃ混ぜになっていると思ってしまったのだ。
夫婦のみならば別れることも容易かもしれないが、子供がいるとなると話は別だ。
ついその子の将来を案じてしまい、私ならよっぽど主人が我が子に悪影響を与える以外は、経済的なことに重きをおいて考え、離婚しない決断を下すような気がする。

しかし、昨今の社会問題にも挙げられるが、夫のDVや不貞行為に思い悩み、泣く泣く離婚を選択する主婦が数多いことも話には聞く。
いくら子供のためと言えど、日々心を抉られる思いをし、自分の気持ちを押し殺しながら相手と一緒にいるのは相当辛いものである。

極端だが、もし夫が毎日私を罵倒したり、家庭外に平気で女性を作るようなオトコであったりしたのならば、不純な父から我が子を守る意味で離婚を選ぶだろう。
夫婦には二人しか知り得ないこともたくさんある。私や世間が知らないだけで、離婚を選んだ夫婦にはそれなりの事情がきっと隠されている。あまり他人が口を挟むのはこれ以上やめておこう。

決して微笑ましくない、ママ友への目。幸せを願うからなのかも

そして、もう一点、気になったのがシングルマザーの再婚問題だ。
某芸能人は、離婚後2年で再婚し、時期が早いとネット上で取り沙汰された。

一方、我がママ友は、離婚直後に再婚したい宣言を高らかとしてみせた。
再婚に至るまでの付き合いが長いと良い関係を築ける保証はないし、長い間付き合っていても相手の本性を見抜けず離婚したケースも人によってはあるわけで、世間一般からのシングルマザーの「再婚」は前科一犯のように扱われるのが気になった。
ただ、近頃多い連れ子の虐待事件のニュースを見ると、世間がシングルマザーの「再婚」に厳しくなるのは、子供を守りたい優しさからくるものなのかもしれないとも思う。

何はともあれ、母親も子供も幸せになる結婚が一番。
私がママ友に向ける目も決して微笑ましいものではないが、それは彼女が次こそ幸せになってほしいと願うからなのかもしれない。
そして、書き綴りながら、他人の家庭の事情に興味が湧かなくなるほど、自身の家庭において楽しさや嬉しいと感じる瞬間が増えていってほしいと思った。
主人と我が子に目を向け、今日の夕飯は美味しいものを作って待っておこう。