私はアダルトショップに行くことが好きだ。
それはもちろん、パートナーとの営みを楽しくするためのものを購入しにいくことが目的ではあるが、自分が気持ちよくなるためのグッズを探すためでもある。

「大人のおもちゃ屋さん」は言い得て妙。ふたり事として楽しめる

自分が気持ちよくなる場所を知っていれば、2人でする行為の時も相手任せではなく、ふたり事として楽しむことができるからだ。
男性のソレを模したものが陳列されている棚の中から、自分に合う形のものがあるかどうか、どのような動きをするのか確かめたりする。
そういうことをしていると、大人のおもちゃ屋さんという通り名は言い当てて妙だと思う。

ただしそういうお店によく行くと、勘違いされることが多々ある。
それは、私は性にふしだらだということである。
大人のおもちゃ屋さんに出入りをする女というのは、往々にして、そういう特性があるのでは?と思われがちだが、私はそうではない。
私は確かに私は性的なことに興味はあるし、実際に道具を介して快感を得ているわけだが、それは別に誰とでも性的なことがしたいというわけではないのだ。

ただし、勘違いをする人は往々にいて、アダルトショップにいるだけで何回かは
私に対して「そういうプレイが好きなの?」「エッチするのが好きなの?」と声を
かけてきて、あわよくばそのあと一緒にデートしようとナンパをされることもあった。
私は丁重に、誰とでも性的なことをしたいというわけではなく、自分のためにしているのだという意思でお断りしているが、残念ながら声かけ自体は後を絶たないのである。

女性向け通販サイトを使えばよいのでは?という意見もあるけれど…

また、大人のおもちゃ屋さんは、大衆から息をひそめるように大通りではない、少し人がいないところに位置しがちである。
そのため、外に出た後で強引に何かをされようものなら他の人に気が付かれず、暴行される可能性もあるのだ。

だったら、女性向けの通販サイトを使えばよいのでは?という意見をいただくこともある。
私も利用させていただいているが、思っていたと違うものが来たり、やはり身体の中に入れるものなので、できれば現物を見ながらじっくり吟味したいと思っている。

もし、私がサービスを変えるならば、女性向けのアダルトショップを増やしたいと思う。
目標とするのは、ロンドンを旅した時に出会ったアダルトショップだ。

誰も性的な目で見てこなかった。目線を気にせず商品を選べる衝撃

そのアダルトショップは、大通りに面していて、一見アダルトグッズを取り扱っているようには見えない女の子が気軽に入れるお店だった。
お店に入ってみると、きれいに陳列されていて、いろいろな使い方が提案されているポップがあった。
何よりよかったのは、私を性的な目で見てくる人が誰もいなかったことだ。
目線を気にせず商品を確かめて選ぶことができることは、私にとって衝撃だった。

本来、女性だってそんな社会の目線を気にすることなく、自由に自分の快感を得るために行動したっていいじゃないか。そういう雰囲気を得られたのは、非常に新鮮だった。

もし、日本にもこんなお店が作れたら。
女の子がアダルトグッズを通じて、自分の身体についてやパートナーと身体を通したコミュニケーションを考えるきっかけを作ることができるんじゃないだろうか。
まだ、女性が性的なことを追求することは秘するべきものと取り扱われるし、それに対する
情報収集についてもソースが限られている。
私は女性が自分の身体を大事にする、そして身体を知ることでパートナーとのコミュニケーションがうまくいく、そのような流れを生み出したいと思っている。