私には自覚しているキャラがある。
「姉」だ。
理由は簡単。2人姉妹の姉だからだ。

勉強ができて、面倒見がいい「お姉ちゃん」キャラの私と甘え上手な「妹」キャラの妹

お姉ちゃんなんだから!と親に言われたことは一度もないが、妹が生まれた時から私は姉だと自覚してきたし、「お姉ちゃん」と呼ばれると少し嬉しい気持ちになった。だから私のキャラクターは姉になったし、今もそうあり続ける努力をしている。
しっかりしていて、勉強ができ、面倒見がいい。皆が思い描く典型的な姉だ。

一方で、妹のキャラは生まれてこの方、一貫して「妹」だ。小さい頃は、「赤ちゃん」というあだ名を嬉しがっていたし、今でも甘え上手で容量がよく、人に頼りがちな性格をしている。いわゆる先輩に好かれやすいタイプだ。私たちは、アニメでよく描かれる理想の姉妹像をしている。

こんな姉妹は実際は少ないのではないだろうか。
同性であるが故にコンプレックスを抱いたり、喧嘩もしないほど仲が悪かったり、といった姉妹が多いのではないだろうか。実際私の周りも、仲の良い姉妹は少ない。女同士だと大変じゃない?と言われることも多々ある。
しかし、我が家に限ってはそうではない。妹は、友達を超えた、形容し難い存在だ。お互いの話を聞いてないことなど日常茶飯事だし、自慢話もしょっちゅうだ。そんなことをしていれば友達なら縁を切られそうだが、今のところ妹と仲が悪くなったことは一度ない。

なぜなのか。答えはもう出ている。
キャラが真逆だからだ。キャラだけではない。好きな色も、得意科目も、洋服の傾向も全く違う。だからこそ、これまで嫉妬することはなかったし、お互いがお互いを尊敬しているはずだ。(というのは、妹もそうであって欲しい、という願望からだ)

姉を頼り続ける「プロの妹」宣言をした妹。友達からは「妹キャラ」と見られていた私

妹は最近、プロ宣言をした。『プロの妹』として、一生姉を頼り続けるらしい。
初めにそう言われた時は呆れて言葉も出なかったが、私も頼られると嬉しい質。悪い気はしなかった。こうした性格の違いが、姉妹関係の均衡を保ってきたと言える。

一方で、私は友達にも面倒見がよくて、相談に乗り、頼られやすい「姉キャラ」だと最近まで思ってきた。でも、どうやらそうではないと、最近になって気づいた。

友達から見ると、どちらかというと妹キャラ。危なっかしくて、どこか放っておけない。一歩外に出ると、そう映っているらしい。初めはその言葉を聞いて良い気持ちはしなかった。

しかし、だからこそ周りにいつも誰かいてくれるのかな、と今では思っている。やはり人は頼りにされると嬉しい生き物だから。外で生きていくには、妹キャラの方が都合がいいだろう。これまで、いじられることは確かにあった。その度に、嫌な気持ちになることも、落ち込むこともあった。
しかし、もしかしたら家庭内では演じられない妹を、外で演じさせてもらってるのかもしれない。家庭内の姉キャラを自覚してからは、そう考えられるようになった。そう思うと、何かを言われた時も、バカにされた時も、少しだけ気持ちが楽になる。

家庭と外、姉キャラと妹キャラ。私の持つ側面を演じ分けて生きていく

これからも、家庭と外、キャラを演じ分けて生きていく。別に二重人格だとか、そういうわけではない。どちらも私の持つ側面だ。そうすることによって、私の中の均衡を保つことができる。
しかし、やはり、家でも外でも『プロの妹』でいられる妹は、ちょっとだけ羨ましい。