私は今年高校を卒業し、音大に進む普通の女の子である。音楽は好きだが才能があるかよりも、自信がないのだ。だが、小さい頃から音楽と携わり、将来は安定した職業というキーワードだけでここまで来た。

密かに沢山の人が笑顔になるようなテレビの中の人のような存在になりたいと、強く思う。「いいじゃんやってみなよ」と言う友達もいれば、「やめとけ」と言う大人もいる。自分の夢なのにどこか無理と諦めていた。

私は自信がなくて、いつもどこかで諦め「一歩」を踏み出せなかった

そもそも、自分の容姿に自信はない。一歩を踏み出す勇気も、本当はないのかもしれない。厳しい家庭で育った私は、親が言うことが一番と思っていて、「駄目だ」と言われたことはそこからその話題については触れることはない。周りから言われた時も同じだ。

そんな時、とあるアイドルグループと出会った。テレビに出てる時はとても可愛らしいのに、パフォーマンスの時は自分、いや、自分以上を表現し、限界のない限界を見つけている姿に感激し、羨ましいと思った。勿論、それは簡単なことではないと分かっている。でも何故かとても羨ましかった。そのグループの2期生募集の時に、応募しようと強く思った。

しかし、一歩を踏み出せなかった。やはりまたどこか諦めていたのだ。いつもそうだ。私のこの気持ちは、やはり外見に出てしまうものだと思う。私の周りからの印象は、「明るくて面白くて話しやすい。でも、どこか諦めてるようにも見える」と言われる。そんな自分がとても嫌いだった。親を憎んだりもした。でも、そんな感情で解決することは一切ない。自分の問題なのだ。

「新しい自分」にも出会いたいけど、「今の自分」を見失いたくもない

高校の卒業式の次の日、とても悲しかった。高校生活がいかに充実していて、自分が素でいられる唯一の素敵な場所だったからだ。学校に通えない、あの何気ない会話、音が聞こえなくなると思うと悲しくてしょうがなかった。

友達は進学へ向けてキラキラしていた。私はどうだろうか。進路について、合格して進学出来ると分かっていても、これで良いのかと悩んでいる自分が惨めに見えた。「大学というところは、自分をいかに知れるかということも学ぶ場所だよ」と、大人に教えてもらった。

新しい自分にも出会いたいけど、今の自分を見失いたくもない。私は本当にこの進路で良かったのか。自分をちゃんとこの学校で見つけられるのだろうか。他にも道があったのではないか。そんなことを考える日々がずっと続いた。

その時に、高校の先生が言っていた言葉を思い出した。「正解という道はない。進路も同じだ。やってみないと分からない。そして、人生において後悔というものは付き物だ。でも、それをどう次に繋げていくのか、どうプラスにしていくのかが大事だ」と。その時とても納得した。その言葉を忘れていた。忘れてはいけないのに。

まずは身近な人を笑顔に!小さな一歩から大きな一歩を踏み出したい

そこで目が覚めた。自分がやるべきこと、後悔しない為にやるべきこと、後悔した後のこと。今すぐに決まらなくても、決められなくても、少しだけ自分を信じて胸を張っていようと思えた。卒業は終わりではなくて、未来への第一歩なのだ。実は少なくとも、私は何回も第一歩を踏み出していたのだ。その事に少し嬉しくなった。

心の中は物理的には見えないが、外見に出てしまうのは本当だと思う。心の中が不安だと人を笑顔に出来ないとも思った。私にはテレビに出て、たくさんの人を笑顔にしたいという夢もあった。だけど、まずは自分を好きになり、そして、身近な人を笑顔に、そこから徐々に広げていって、いつか小さな一歩から大きな一歩を踏み出したいと思っている。

考えが変わってからは、少し自分がかっこよく見えた。周りからはどうだろう。少しでも成長できた姿を高校の時に仲良かった子に見せたい。前の自分とこれだけ変わったぞ。そして、変わらない部分も見せたい。そんな夢を抱えながら一生懸命生きていこうと思った。

今まで出会ってきた人たち、親に感謝をしたい。私を産んでくれて、私を育ててくれて、そして見守ってくれてありがとう。これからも積み重ねてきた一歩を大事に積み重ねていき、頑張りたいと思った。

そして、私は周りからどんなふうに見られても、少しだけ自分のことが好きになれた。それも小さな一歩だ。それは、今もこれからも変わらないと信じる。