随分昔から「こんなの私の人生プランになかった!」と思っていることがある。
それは私のキャラだ。
もし「過去に戻ってやり直してもいいよ」って言われて、どの時期に戻ってやり直そうとしてもおそらく直せそうにない。例え、もし私が転職や結婚・出産をして環境が変わっても、おそらく変えることができないのだろう。このキャラに生まれてきたのは私の運命なのだろうか。もしそうだとすると運命って残酷だ。

小学生の頃から”いじられキャラ”の私。社会人になっても同じだった

私のキャラは、いわゆる“いじられキャラ”というやつである。
小学生の時から、よく言えば感情豊かな子どもで、「反応がおもしろい」と言われていた。
母が力強く束ねたポニーテールで目がつり上がって見えていたせいか、勝手に韓国人名を作られて、その韓国人名で呼ばれていたりもした(実はペンネームのミンチョンはここから来ている)。

それは中学生・高校生になっても同じだった。中学2年生の時、生徒会の書記の枠が余っており、男子ばかりが立候補している中で中学1年生の女の子が1人立候補していた。女の子1人はかわいそうだから、自分のクラスから立候補させようと思った担任の先生が「女子で誰か立候補しない?」と声をかけた。

すると、ある子が「○○さんがいいと思いまーす!」と私を指名した。小学校の児童会で苦労した私は「絶対イヤ!」と言っていたのだが、担任の先生・クラスメイトに押しに押される形で立候補をすることになり、書記になってしまった。

さらに、社会人になってからもこのキャラは出てきてしまう。
社内のバーベキューイベントがあった際に、子連れの社員さんが水鉄砲を持ってきていた。そのお子さんと遊んでいたのだが、親子で私を挟み撃ちしたり、水をかけてきたり、背中に氷を入れてきたり(もはやここまで来るといじめレベル…)、子どもよりも濡れて帰ることになった。

「貫禄がないから舐められるねん」私はいじられキャラの上司になった

後輩や子どもからもいじられてしまう私に、ある人がこういった。
「先輩としての貫禄がないから舐められるねん」
確かに。と思うしかなく、その先輩としての貫禄とやらはどうやってつくのかを考えてみた。
店長になること?わからないことをすぱっと答えられること?いろいろ考えて実行してみた。
だが、未だにこの答えはわからず、いじられキャラのまま複数店舗を管轄するSV(スーパーバイザー)になってしまっている…。

さらに、私が機嫌が悪くて1人怒っていると、アルバイトさんや後輩に笑いながら「ごめん、○○さん怒ってるのに笑っちゃった。でもおもしろいそのままでいいと思う!」とまで言われてしまった。

果たして、部下に「うちの上司がいじられキャラで、いじるのおもしろいんだよなっ!あのキャラがいいんだよ。ずっとあのままだといいな」と言われる上司って如何なものなのだろうか。私の人生プランではもっとしっかりしてて、尊敬や憧れの先輩を想像していたのだが……。

”いじられキャラ”は、周りがその存在を認めている証拠かもしれない

SVになってから他の店長からの電話がかなり増えた。その様子を見たアルバイトさんに、「みんな頼りにしてるんだね」「きっと質問しやすいのよ」という言葉をかけられた。
「いじられキャラは“愛されキャラ”でもあるんですよ。捉え方次第です」と言う後輩もいた。発想を変えるとすると、いじられキャラというのは親近感があり、親しみやすいということだろうか。

親しみやすいから、わからないことを聞きやすい、多少いじったとしても怒らないだろうという気にさせるのかもしれない。意識をしたことはないが、それはある意味強みな気がしてきた。

怒っている姿まで笑われてしまうのはやり過ぎな気がするけど、いじられキャラというのは、周りがその存在を“認めている”証拠なのかもしれない。
“認められている”と言われると嫌な気がしない私は、やはり根っからの“いじられキャラ”なのだろう。

何だか抜け出せそうにないということがわかってきた。
きっとそれが私の見せ方、貫いてやろうではないか。