特集:「あの子」がいたから

大事な時に必ず隣にいてくれた彼女。がんになったことも初めて伝えた

「あの子」がいたから

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私には感謝という言葉では表しきれない、中学に入学して初めて話しかけられた友達。今から話す子との関係はそこから始まった。今では友達という言葉で表しきれず、相棒とか仲間とか呼び合っているような特別な不思議な関係性だ。

大事な時に必ず隣にいてくれた彼女。がんになったことも初めて伝えた

私たちは中高時代、毎日一緒に居たわけでも一緒に行動していたわけでも無いが、何か大切なことが起こるときには必ず一緒に居た。毎日ちょっとした事で言い争って喧嘩して、2、3日口を聞かないなんてこともしょっちゅうだったし、未だに毎日長電話してたかと思えば3週間連絡を取らないなんてこともザラにある、友人としてはなかなか歪なのだ。

中学生の頃から、毎年のように一緒にディズニーに行ったり、整理整頓が苦手な私のロッカーやバックの中を整理してくれたり、放課後、寄り道したりはしていたが、特に思い出の濃度が濃くなったのは高2以降だ。

互いに学園祭の実行委員に所属し、作業のため、同じ部門だったわけではないが、互いに生徒会室で活動していたため、夏休みは毎日顔を合わせて朝から閉門まで毎日一緒に作業していたし、その頃から通っていた塾も同じだったため、土曜や、学校の帰りに、日曜日や講習会中は朝から塾に一緒に行って、合間に一緒にご飯を食べに行くことも日常茶飯事だった。

高3になるとコースが同じで毎日隣の席で授業を受けていた。そして私はがんになったわけだが、同級生でがんになったことを初めて告げたのもその子だし、受験勉強の合間を縫っては毎日のように連絡をくれ、術後三日目に見舞にもきてくれたのだ。

私が病気になったとは言ってもなかなか周りに心配をかけたくなかったため、ずっと元気に笑っていたせいか、友人たちにはあまり私が病気である実感がなかったようだ。

後に彼女は「あんたが管まみれで死にそうな顔してベットで寝ているのを見て初めて、本当にこの人は病気なんだって実感した」と言っていた。
治療の過程も側で支えてくれた彼女は、卒業の際にくれた手紙の中で、「生きてて良かった」と私に伝えてくれた。

本人も受験で大変な中、いつも通りに私に接し、帽子で学校に行っても「帽子かわいいね」と褒めてくれたり、ウイッグをつけ始めてからは、「ウイッグ、値段のこととか気にしてたけど、すごい自然でいいね」と声をかけてくれて、私がウィッグの値段を見て、親に欲しいというのにためらいを持っていたことも知っていてくれた彼女は、容姿の変化にもポジティヴに受け留められるような声かけをしてくれた。私は彼女の存在にどれだけ支えられただろうか。

気遣いを感じさせない、いつも通りの彼女が伝えてくれた言葉

本人はあまり覚えていないようだが、無意識のうちの気遣いとそれを感じさせないようないつも通りの彼女でいてくれることが私には有り難かった。

そして浪人時代、実は彼女も同じ時期に浪人していたため、日々連絡を取り合う中で、勉強の進捗を報告し合ったり、月に一回は会って、二時間ぐらいただひたすらしゃべるということをしていた。

とにかくこの一年間、彼女の存在の大きさは計り知れない。一緒に最後まで戦い抜いてくれて、本当に浪人を途中で戦線離脱せずに済んだのは、本当に彼女の存在が大きかった。
そして私大入試初日は彼女と同じ大学を受験した。結果は不合格だったが、ガチガチに緊張していた私にとってどれだけ心強かったか、計り知れない。

その日の朝、現在一緒に住んでいない母から、弁当を受け取ったのだが、それを見ていた彼女に「お母さんの弁当、よかったね」と言ってくれたのだ。高1の冬、両親が離婚した直後、何度も夜中に泣いていたのを知っている彼女から出てきたその言葉は、私だけで無く、母の心にも心に深く響いていたようだった。

「ありがとう」の言葉では言い表せない彼女に改めて伝えたいこと

私たちは異なる大学に入学したが、入学後も、オンライン授業の悩みや、将来のことから、たいして内容の無いたわいの無い話まで、どれだけ沢山電話をしたことか。

コロナ禍でなかなか会うことは出来なくなったが、毎日のように電話していた私たちは会えずとも距離が遠くなることはなく、むしろたまにしか会わない大学の友達よりも彼女の方が私のことずっと詳しく知っているし、話さなくても何を考えているか大抵わかってくれていた。

彼女はどんな時でも思っていることは素直に、少し厳しいことでもしっかりと意見してくれた。もちろん私だって彼女の言葉に傷ついたことが無いわけではないが、真っ直ぐすぎるくらいしっかりとしたの彼女の言葉は誰のどんな言葉よりも信じられる。

中高6年間でまさか初めて話した子とこんなに仲良くなるとは思わなかった。
そんな彼女との出会いに、この八年間、どれだけ支えられて生きてきただろうか。ありがとうとかそんな言葉では言い表せないくらい大切な存在の彼女だが、いつも、いろんなところでつまずいてもがく私のことを見捨てないで、これからもそばにいてくれたら嬉しい。
どうかこれからもよろしくお願いします。

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