一つのことをやり通す父の姿を見ていた私は、物事を自分で選んできた

私の父は、昔から一つのことをやり通す人だった。
父は高校卒業後、入社した会社で今も働き続けている。野球一筋で、幼い頃から父の野球を母とよく見に行っていたことを思い出す。
そんな父から育った娘の私は、幼い頃からなんでも自分で物事を決めるようになった。

小学校の頃の私は、両親から宿題をやりなさいと言われる前に宿題に取り組む。
将来の夢は何か。どんなことを勉強したいか。どんなことをこれからチャレンジしたいか。私はいつも、両親には相談というよりも「私はこれになりたい。」「私もこれやりたい。」と自分の意思を伝え、やりたいことをやらせてもらっていた。

両親は何にも反対することなく、「いいんじゃない。やってみたら」と。 両親は「進学校へ行きなさい。」「〇〇大学へ行きなさい。」などは全く言わず、自分の思いを尊重してくれる両親。小学生の頃から「介護福祉士になる」ことが夢だった私は、介護の勉強ができる高校を選んだ。

幼いころから父に言われていた言葉がいつの間にか重荷になっていた

父の言葉。それは、「自分で決めたことは最後までやり通しなさい。」
私は高校時代、就職か進学か進路に悩んだ時、父から言われた言葉を思い出した。
結果、就職ではなく幅広くもっと福祉について学びたいと思い、福祉学科のある大学を選び、受験をした。元々高校卒業後就職する予定だった私が急遽大学進学へ。

進路変更したのにも関わらず「頑張ってこい」「たくさん勉強してこい」と背中を押してくれて、学生時代なに不自由なく、やりたいことをやらせてもらった。
そして、父の言葉を心の片隅にいつも置きながら、学生時代を過ごした。

就職活動をし会社を決め、大学を卒業。
自分で決めた会社に入社をし、仕事をがむしゃらに頑張っていた。
右も左も分からず、なんでも自分で決めてきた私は、なんでも自分で抱え込むようになっていた。

気づけば、自分で決めた道なんだから頑張らなきゃ、辛くても辞めてはいけないと自分を追い込むように。

私はそこで失敗をしてしまった。父との言葉を守ることができなかった。
しかし、失敗を経験したからこそ現在は別の会社で働き、やりたいことや夢も出来て新たなスタートを切っている。その失敗から「頑張りすぎないこと」「自分を追い込みすぎないこと」を学んだ。

父の言葉から学んだだのは「後悔のない人生」を送ることだった

父の言葉を通して、私は、自分で自分の将来を考えることの大切さ・考える力が身につくことや自分の思いを言葉にし相手に伝えることの大切さを学んだ。

少し前の私は、父の言葉が重荷になって、一つのことを頑張り続けることが重要と思っていた。今考えてみると、「自分で決めたことは最後までやり通しなさい」と言う言葉の裏には、「後悔のないような人生を送りなさい」という言葉が隠れているように感じた。

お父さん、私にいろんなことを教えてくれてありがとう。
お父さんがかけてくれた言葉のおかげで今後悔のない人生を送ることが出来ているよ。
これからも自分の人生は自分で決めていくことにする。何かあったら相談乗ってくれると嬉しいな。

いつもありがとう。