「なんとかなるだろう」19歳の夏。初めて一人で韓国に行くことに

6年前の夏、19歳の時、私は初めて一人で海外に行った。
行き先は、韓国。
もともとは友人と行こうと考えていたのだが、予定が合う人がいなかった。

私は学生のうちに、できるだけ多くの国に行ってみたかったので、一緒に行ける人がいないのであれば、いっそ一人で行ってしまおうと、初めての海外一人旅が決まった。
韓国を選んだ理由は、治安が良いことと、アルバイト代を費用に当てていたので旅費が安かったから。

それまで、親や友人と一緒に海外に行ったことはあり、海外に行くこと自体は初めてではなかった。
しかし、私は韓国語は全くわからないし、英語もポツポツと思いつく単語を何とか繋ぎ合わせて話せる程度。
それでも、日本からの観光客は多いだろうから、なんとかなるだろうと思って旅立った。

この韓国一人旅は3泊4日。
大きな問題はなかったが、行きも帰りもちょっとしたアクシデントがあった。

終電で乗換ができない。ホテルまでの道のりで起きたアクシデント

まず、行きは、韓国に着いてからの空港からホテルまでの予定していたバスがなかった。
もともと、韓国に着くのは午後11時頃の予定だった。

定時に着いてもホテル行きのバスの最後の1便に間に合うかどうか、と言ったところだったのだが、飛行機が遅延したため、バスはもうなかった。
空港からホテルまではバスで45分ほど。タクシーを使っても日本よりは断然安いが、それでも他の交通機関よりは高い。私はとりあえず、少しでもホテルの近くまで電車に乗ることにした。

30分ほど電車に揺られ、乗り換えようとしたところ、駅員さんに、今日の電車はもうない、と言われた。
さっきまで乗っていた電車が終電だったのだ。

仕方がないので、駅前のタクシーの待合所に行ったのだが、10組以上は並んでいた。
恐らく、もうここからホテルまでは歩いても行けるのではないかという気もしたのだが、私の泊まるホテルはガイドブックに載っていなかったし、iPhoneはWi-Fiがあるところでしか使えない仕様だった。

確実にホテルに行くには、タクシーを待つしかなかった。
しばらくしてタクシーに乗ったのだが、運転手に行き先がなかなか伝わらない。ホテルの名前を言っても、紙に書いて見せても伝わらない。ホテルの電話番号を教えると、ようやく理解してもらえた。

タクシーが動き出してからも、私は気が抜けなかった。
実情はわからないが、タクシーのぼったくりは結構あると聞いていたので警戒していた。
だが、心配は杞憂に終わり、タクシーの料金は、事前に調べていた額と同じくらいで、ぼったくりには合わずに済んだ。

一度は「ない」と言われた空港行きのバスも、なんとか乗車できた

帰りは早朝の便だった。
朝6時半頃までに空港にどうやって行けば良いのか、韓国へ行く前に調べはしたのだが、いまいちわからず、ホテルのフロント係に聞けばどうにかなるだろうと考えていた。

3日目の朝、フロントにいた20代くらいの男性に、思いつく限りの英語でバスがあるか尋ねたところ、「ない」と言われた。じゃあ、タクシーを明日の朝ホテルに手配しておくことはできるか、と聞いてみた。そうしたら、「タクシーは手配できない、そもそもそんな朝早くに空港まで行く手段なんかない」と迷惑そうな表情で言われた。

え、もしかして今日のうちに空港泊するしかないのか?という考えも一瞬過ぎったが、いや、そんなわけは流石にない。何かしら手段はあるだろう。とも思った。
私はその男の人に空港までの手段を聞くのは諦め、一度街に出た。

昼過ぎにホテルに戻ると、フロント係が50代くらいのおじさんに代わっていた。この人ならわかるかもしれないと思い、先程と同じ質問をした。

すると、そのおじさんは辿々しい日本語で「バスがある」と言った。早朝からバスはあること、バス停はあっちだから今確認しておいで、というようなことを身振り手振りと共に教えてくれた。

私は外に出て探すと、言われた場所にバス停を確認することができた。ホテルに戻り、バス停の場所を確認できたことをおじさんに伝えると笑いかけてくれた。
おじさんのおかげで私は無事、早朝にバスに乗って空港まで行くことができた。

そんなこんなで多少のアクシデントはあったが、無事に帰国することができた。
正直、帰国後は激しい疲労感に襲われた。
言葉や治安に対する不安が大きくはなかったとは言え、やはり初めて一人で海外に行くことに、無意識に緊張していたのだと思う。

けれど、それ以上に今までに味わったことのない満足感を得ることができたし、少し強い自分になることができた気がした。

一人で異国の地を歩き回る楽しさをしったあの夏。次はどこへ行こう

この韓国一人旅以降、私は時折一人で海外に行くようになった。
たまたま、一緒に行く人が見つからなかったことから始まった一人旅だったが、あの時、一人で海外に行くきっかけになってよかったと思う。

一人で自由に異国の地を歩き回る楽しさを知れたし、言葉も何もわからなくても何とかなることを実感することができた。
次はどこの国に行こうか。今まではアジア圏の国に行くことが多かったので、ちょっとハードルが高い気はするけれど、ヨーロッパ圏の国に行ってみるのも良いかもしれない。