私は卒業アルバムを捨てる。理由は要らないから。
そして要らない記憶を削除する。

その子を見捨てることもできたけど、しなかったのに。呆れてきた

いつもそうだった。
大人になってからも、誰かに、恩知らず!と責められてる気がした。

親に一つ、学生の頃から秘密にしてることがある。
いじめをうけてたこと。
細かく言うと、いじめられてる子と仲が良くて被害を受けたと言った方が正しい。
だけど今思うと、結構なことをされていた。
先生は黙認。この頃から先生というものを信じなくなったんだと思う。

そしていじめが無くなると、さっさとその子は私を敵視した。
当時のことはほとんど覚えてないけど、散々文句を言われた。
お互いに思春期、多感な時期で、家族ともうまくいかなくて愚痴りあっていた。
確かに私も愚痴っていた。

だけど、ある日その子が態度を一変させた。
すごく長文のメールを送ってきて、「私はあんたに裏切られた」だの「お前のこと信頼してないから」だの好き勝手言われた。
恩着せがましいが、いじめのとき私は被害に遭わないようにその子を見捨てることもできた
だけどしなかった。そこに感謝はないのか。
まだ15歳の私は感情が抑えられず、怒りが込み上げたが、一通り怒りを感じたら怒りの感情を通り越して呆れてきた。

もう要らない。
その子とは高校が別だったので、周りから見たら自然に縁も切れたという感じかもしれないけど、私的には縁を切った。

12歳の私は思い通りにならず、混乱。自分を受け入れられなくなった

そんなことを思い出したのは、この間片付けしている時に卒業アルバムを見つけたから。
開くことはしなかったけど、有るだけで吐き気がするのも事実。
その時はこの卒業アルバムは親が出してくれたお金で出来たことに意識がいって、捨てなかった。

でもそれから頻繁に夢を見るようになった。
元から寝つきは悪いし、熟睡せずに夢を見ることは多い方だ。だけど昔のこと、人が出てくる夢を見るようになって「卒アル 捨てる」で検索したら意外とあっさりと捨てました!とか、別に見ないから捨てた、とかいう意見があって、捨てていいものなんだ!って心が軽くなった。
今月中に捨てようと思ってる。高校のは捨てないかもしれないけど特に見返すこともない。

そしてもう一つ大きな原因がある。小学生5年生の冬に脳の病気で入院した。
4か月ほどの入院だったし当時は難病指定されている病名がついたけど、再発がなくて高校生の時まで検査通院していたのが打ち切りになった。結局病名はハッキリしないでいる。
入院期間たった4か月、されど4か月……。
治療に点滴から強いステロイドを使うようになり、痩せ型だった私は太り(元が痩せていたので激太りではなく丁度いいくらいになったと言われたけど……)、あまりの自分の変わった姿に泣いたのを覚えてる。
顔はパンパンだし、免疫力がないから風邪を引けないし、何より勉強よりは運動が好きだった私はしばらく体育を休まないといけない生活に制限された。当然体力はガクンと落ちた。
そうすると自然と、リレーの選手を狙うくらいの速かった足も瞬発力も失って、運動できない子になっていた。

当時12歳の私は、自分の全てを受け入れられなくなった。

記憶と違う。
ちがう、ちがう!もっと走れた!もっと動けた!なのに体育の授業に出ていいようになった頃には頭で想像する、運動できる自分の姿と現実の思い通りにならない体で混乱していた。ちがう。私はもっとできたのに。

目は未来に向ける。「そんなこともあったよね笑」と思えるくらいに

そんな虚しさの記憶しか思いだせない小学校の卒業アルバム、必要ない。
いじめの記憶しか思いだせない中学校の卒業アルバムなんて、要らない。

高校生では嫌なこともあったけど、まだそれも含めて若かったなぁとか思うことができるから、きっと楽しい事があったんだろう。
どちらも覚えている記憶がある。

でも3冊あるうちの2冊は捨てようと思う。
だって、要らないんだもん。
親にはお金かけてもらってごめんねって思うけど、ごめんね私も辛かったんだ。

余談だけどそういうターゲットになりやすいのか、大人になってからもそんなことがあったなぁ。
手のひら返しされること結構してきたなぁ。
もちろん相手だけが悪いわけじゃない。
私にも自覚してる悪いところもあるし、自覚せずに相手に嫌な気持ちにさせたこともあると思う。

だから、それを捨てようとしてる私は恩知らずなのかなってすごく思うけど、でも、記憶に残さなくていいものは捨てようと思った。
感情で、学んだから。
こんなことされたら嫌なんだな。これは悲しいな。って大事なのはそこから学ぶことで思い出して悲劇のヒロインになることではない。
大事な部分を学んだのなら出来事は捨てたらいい。
そしてその空いたスペースに素敵な記憶を作っていくんだ。

自分も、変わって素敵な人と思ってもらえるように努力しながら……人として好きだなって思える人に出会って、過去のことは「あぁ、あれね」「そんなこともあったよね笑」と思えるくらい私は未来に目を向けていく。
そんな生き方もありなんじゃないかな。