気まぐれにやってきて、わたしを苦しめる仕組み。それが生理だ

生理は、子孫を残したいと思わない者にとっては、だいたい1ヶ月に1回あるただ純粋な負担だ。
それだけだったらまだしも、毎回ちゃんと薬を飲まないとまともに立てず、人間としての仕事やらなんやらの振る舞いができない。どうやら人によるらしいけど、まれに痛みで気も失う。電車の座席や営業先のお客さんの椅子を血塗れにしたこともある(ごめんなさい)。

もうナプキンだけじゃ安心できなくて、フィンガータイプのタンポンを愛用している。
安心感が全く違う。他人様の物たちを血塗れにしていたころの自分に、積極的に勧めたいレベルだ。

大学受験前の高校3年生の時は、1年ほどやってこなかった。自分には不釣り合いなほどにめちゃくちゃにかわいかった(と今でも思っている)彼女がいた高校2年生の時は、びっくりするぐらい規則正しくやってきたくせに。

染色体のシステムがどう頑張ったって、わたしの精神がこれである以上、精子がやってくることはないのに。わたしはこういう人間なのに。
それに抗うかのように、20代後半になっても規則正しくはならず、気まぐれにやってきてはなぜかお気に入りの下着ばかり汚して、わたしを苦しめるわたしの仕組み。それが生理である。

生理管理アプリに登録。初期情報の選択肢に自分と合致するものがない

世の中にある生理管理アプリみたいなものにいくつか登録してみたけれど、生理予測が外れるどころか、初期情報の選択肢に自分と完全に合致したものがなかった(ただ純粋に生理予測をしたかっただけなのに)。

とりあえず一番近そうな属性を選んで登録してみても、「男性の相手がいてそういう行為をしていて妊娠を望んでいる女性」か「男性の相手がいてそういう行為をしていて妊娠を望んでいない女性」みたいなニュースしか持ってこなくて辟易とした。

男性の相手がいなくて、男性と性交渉をしていないやつは女性じゃないらしい。アプリは1週間ほどでアンインストールした。

どこかの議員が言っていたように、「種の保存に背くと存在を認めてもらえないらしいよ」と母親に伝えてみたら、何と返してくるだろうか。

わざわざ九州から物を送ってくれる母親に。
それらの緩衝材代わりとして、ビニール袋に入れたナプキンを隙間に詰めて送ってくれる母親に。

言ってみたいとは思いつつ、実際に言うことはできていない。こういうのは、限りなく黒に近かったとしても、グレーとブラックでは天と地以上の差があるから。

わたしの身体のために、今日もタンポンをいれて、ナプキンを添える

母から送ってもらったナプキンはありがたく使わせてもらっている。母はそんなことを口に出したことはないけれど、本当は孫の顔だって見たいだろう。
でも、妊娠しなかった結果が生理なのだ。3人も子供を生んでいれば当たり前のようにわかっているであろうことを、母はある意味で積極的ではなくともとりあえずは肯定してくれている、と信じている。

というわけで、生理ってやつ。女としか付き合ったことのない女に与える毎月の痛みが薬を飲まないとまともにならないようにしている時点で、神様がいるとしたら相当イカれているなと思う。

世間のレディース割引を使いまくったって、その代わりにわたしが引き受けている生理用品代と薬代を差し引いたらマイナスになるだろう。

でも現時点では、生理がやってこないことを選べないのだ。かわいそうに、せっせと赤ちゃん用のベッドを作っていたわたしの身体のために、今日もタンポンを入れて、そっとナプキンを添えるしかできない。