今の私には、欠かせない日課がある。
毎晩決まった時間に、スマホアプリがリマインドしてくれると同時に、低用量ピルを服薬することだ。
この小さなピルが、大きな安心を私の日々にもたらしてくれることは、半年前には思いもよらなかっただろう。

20歳を過ぎから生理不順の悩み。体調不良を機に産婦人科を受診

「検査の結果、病気ではないですが、若干排卵しにくい体質ですね」と婦人科の医師から言われたのはつい数ヶ月前だ。
生理痛に悩まされるだけなら、「みんな経験していること」として受け止め、痛み止めを飲んで終わらせるだけだったかもしれない。

でも私は生理痛に加えて、20歳を過ぎた頃から生理不順に悩まされてきた。
1.5ヶ月周期はざらだったし、ひどいときは丸1回分スキップ。
予定日が近付くたびにナプキンを用意して生理開始に備えるものの、そこから一向に始まらず、モヤモヤする日々。
そのモヤモヤも、やっと生理が始まると一旦忘れてしまう、というサイクルが出来上がっていた。そのような状態を私は何年も放置してしまっていた。

だが数ヶ月前に、謎の体調不良を発症したことが転機となった。
吐き気とめまいに襲われる中、私は思いつく限りの原因を考えてみた。
胃腸の不調かと思って内科にかかるも、どうやらそうでもなさそうだった。
他には……と考えたとき、生理も近いと思われたことから、PMS(月経前症候群)の可能性を否定できないことに気付いた。

不調の解消に勧められた「低用量ピル」の服用に、不安を感じた

私はすぐに近くの婦人科を受診し、内診と血液検査を受けた。医師からは前述の診察結果と、生理不順を含めた女性ホルモンによる不調を解消するには低用量ピルが有力な選択肢になることを言われた。

結局、そのときの体調不良と、女性ホルモンとの因果関係は不明なまま終わった。
だが、せっかく婦人科を受診するきっかけが与えられたからには、生理不順の悩みをここで終わらせたいという私の決心は固かった。

そうは言っても、服薬の不安が全くなかったと言えば嘘になる。
世間一般的に低用量ピルと言えば「避妊のために飲むもの」「副作用のリスクが高い」のようなイメージが根強く、私もそのようなイメージに囚われていた一人だ。
だから不安を少しでも払拭するために、副作用についてネットでたくさん調べた。
そこから複数回通院して、健康状態に問題ないことを確認された上でピルを処方してもらった。

「低用量ピルの処方を希望しますか?」
医師からは最後に念を押すように尋ねられたが、もう私にはむしろ服薬しない選択肢は考えられなかった。

28日周期で訪れる生理。長年のモヤモヤからの開放は夢のようだった

決心したとは言え、婦人科のスタッフの方から説明されたリスクが頭をちらつき、最初は恐る恐るの服薬だった。でも、きっちり28日周期で出血が訪れる感動を味わう頃には、そんな恐れはすっかり吹き飛んでいた。

いつ始まるかわからない生理にやきもきすることもなくなったし、当然生理痛もなくなった。長年のモヤモヤからこんなにも簡単に解放されるのは夢のようだった。

低用量ピルはなんとなく近寄りがたいイメージがあるし、確かに始めるまでのハードルが低いとは言えない。
ただ、注意点さえ守って、非喫煙者の健康な女性なら、問題が起きることの方が少ないだろう。

私自身、低用量ピルについて調べていて初めて知ったことだが、将来的な子宮内膜症や子宮体がんのリスクを低減させる効果もあるとすら言われている。
何より、低用量ピルのメリットに気付いていないがために、日常が生理やPMSに振り回され生活の質が落ちているのであれば、それはあまりにもったいないことだ。

生理に関する何らかの悩みがある人はぜひ、婦人科を受診して、低用量ピルの服薬を相談してみてはいかがだろうか。
近い将来、低用量ピルに対する一般的な先入観が覆されて、女性にとってもっと身近な存在になることを私は願っている。