私と「メイク」との距離はほど遠かった。
例えるなら、地球と宇宙ぐらい。
「メイク」を意識し始めるのが多い高校生。
そんなJK時代、私はまったく興味がなかった。

高校時代は校則違反だった化粧が、大学生になると必須になった

というのも、高校生時代は「化粧は校則違反」だったし、先生に毎日叱られながらメイクに力をいれて、化粧の濃い同級生を「バカだな」と思ってみていたからだ。
一番の理由は、水泳部に所属していたからだ。
仮にメイクをしたら落とさないといけないし、プールの水が汚れるのは嫌だったので3年間メイクすることはなかった。

しかし、大学生になると「メイク」は必須。
「メイク」をしなきゃいけない時がどうしても訪れた。
見かねた母親が、高校3年生の誕生日プレゼントにプチプラの化粧品をくれた。

不器用な私は、とりあえず下地を塗って、とりあえずファンデーションを塗って、とりあえずアイシャドウをと、「とりあえず」と最低限はしていた。

しかし、ドライアイな私は頻繁に目薬をしていたらアイシャドウが落ちて、1日の授業が終わるころには「化粧しているの?」とよく言われたものだ。
大学の同級生は、さらにメイクに興味を持って楽しんでいるようだった。

大学生になっても、メイクはするけど「あのアイシャドウがいい」とか「このリップがいい」とかこだわりをもって自ら動くことはなかった。
周りから「もっと化粧すればいいのに」と言われてきたけど、興味がなかったのと不器用な私が無理することではないとおもっていたので、何とかかわしてきた。

「これは自分に合うかな?」社会人になりメイクを楽しめるように

そんな私に少しずつ変化が起きた。
社会人になった後から、今まで感じてこなかった感情が芽生えた。
社会人になると「メイクは最低限のマナー」。
毎日することに面倒な気持ちはなくなったが、それでも社会人になってすぐはまだメイクとの距離は離れていた。

最初の頃は例えるなら、地球と宇宙の距離だったのが大学生時代は、北海道と沖縄の距離になった(高校生時代は日本と海外、一番遠い国・ブラジルにでもしとこうかしら)

少しずつ、金銭的にも自分を見つめなおす「余裕」ができたのと「興味」を持つようになった。

SNSの発展によって色んなブランドの紹介をみて、「もしかしたらこれは自分に合うのかな?」と思うようになった。
しかし、不器用なのは変わりはない。
不器用ながらも、いざ!という時のために毎日するようにしたら多少は上達したし(と思うだけかもしれないが)、高校生の時と比べて、「メイク」を楽しむようになっている私がいる。

不器用なので、自信がないのは変わらずだが、「私」のことを知っている友人や妹にどんなのが合うのか・どんな風にしたらいいのかと信頼して聞くようにした。
メイク大好きな妹に「ちょっとそれは……」と指摘受けることはあるが、もっと自分に合うメイクをしたい気持ちが強くなった。

近づくメイクとの距離感。変化を感じていく自分が好きになれた

年を重ねるごとにメイクとの距離感が近づいてきた。
今は、まだ自信がないので東京都と大阪府ぐらいの距離感だが、メイクに興味を持つようになって自分が変わった。

メイクすることに周りと比べて焦るだろうし、押し付けられて色々といわれるかもしれないが。
価値観は人それぞれだし、メイクに興味を持つタイミングなんて早くても遅くてもいいと思った。

私の場合は、周りがなんと言おうとも自分のペースがあるから耳を傾けることはなかった。
本当に考えてくれる人がいるなら話は別だが、昔からかわれて遊ばれたことがある過去があるせいか疑心暗鬼だったが、信頼できる人がいるお陰で少しずつ変わってきた。

変化を感じていく自分が好きになった。
それだけで十分。
まだまだ距離感はあるが近づく日は来ている。
メイクと私の距離感はまだ少し離れているが、距離が隣り合わせになるように、また今日もメイクを私はする。