学生時代は月に1回必ず来る生理を、都合のいい友達みたいに捉えていた。
中1の時に初めて生理が来て、専門学校を卒業する20歳までの生理はほとんど痛みもなく、「あー、また来たか」って毎月の恒例行事をこなしている感じだった。その頃の私は、生理の度に体育の授業を休む子の気持ちを知る由もなかった。
慣れない社会人生活。膀胱炎になり、初めて真剣に生理と向き合った
本格的に20代が始まって、慣れない社会人生活で毎日必死すぎて、ちゃんと休んでいた記憶があまりない。
毎月の恒例行事に異変があったことにも気付けなかった。
24歳ぐらいからかな。真剣に生理と向き合ったのは。激務が祟って膀胱炎になった。
初めて産婦人科に行った時、問診票に生理のことを書く欄があった。
「そういえば、最後に生理が来たのいつだっけ?」
スマホのアプリを使って記録していたが、最後に記録したのは遠い記憶。
その時初めて心身共にストレスでやられていることと、生理が遅れていたのに気付いた。そして、普段の生活と生理が直結している事を知った。
歳を重ねるにつれて生理が重くなり、鎮痛剤は必須アイテム。その時、職場の男性社員から心ない言葉をかけられる。
「生理ぐらいでしんどそうにするな」
ただでさえ体が思うようにいかない上にこんな言葉をかけられるなんて。初潮から10年経ってやっと、生理で休む女性の気持ちがようやく解った。
唯一の女性社員だった私は、理解がない男性社員に生理について話した
でも私は怯まず、職場の男性陣を前に生理について話す。当時、飲食店の店長をしていた私は、唯一の女性社員だった。
飲食店には女性のアルバイトが沢山いるのに、社員は男性ばかりで生理への理解もない。今考えると、なんて最悪な職場なんだろう。
生理は人それぞれ違い、軽い人と重い人がいること。貧血や腹痛、腰痛など体にでる不調があること。イライラしたり、落ち込んだり、精神的にでる不調があること。薬を飲まないと仕事にならない人もいること。
無知な男性陣に全部ぶつけた覚えがある。
自分の店舗の女性スタッフには生理が来たら共有してもらった。これは生理になった本人も周りのスタッフも気持ち良く過ごすための作戦だった。
生理の時っていつもなら何とも思わない言葉もイラってくるし、自分は優しく話しているつもりでも、いつもよりトゲがあるように伝わることもある。だからこそ、共有してお互いに理解する必要があると思った。
共有作戦が全て正解だとは思わないけど、しんどいと言える環境は大切
生理の子には、その子が得意とするポジションや負担の少ない仕事をやらせた。
「生理ぐらいで優遇するな」って思った?
でも、生理の時は出勤しただけで偉い。女性が全員月に1回1週間生理が来ると仮定して、月に1回1週間ぐらい甘やかし期間があっても良いんじゃないか?
お店の女性スタッフ全員がいっぺんに生理になることはほぼ無いし、順番に甘やかし期間が来ると思えば、スタッフ同士も喧嘩にはならない。気が付けば、それぞれが生理の時にしている対策方法や生理痛を和らげる食べ物などを情報共有して、自分たちの生理と向き合うようになった。
最終的には無関心だった男性陣から質問されるようになった。
どんな症状があるの?生理痛ってどのぐらい痛いの?って。
聞かれた女性スタッフたちは嫌な顔ひとつせず答えてくれるが、人それぞれ症状が違い過ぎて男性陣は唖然としてたっけ。まぁ、聞いてくれるだけマシになった方かな。
共有作戦は運よく上手くいったけど、正解だとは思わない。不愉快に思う人もいるだろうね。でも、しんどい時にしんどいと言える環境って大切なんじゃないかな。
現在26歳の私は生理のことを不器用な親友だと思っている。普段の生活で無理をしたら重くなるし、遅れる。
体の不調の訴え方は不器用だけど、自分でも気付いていない奥底のストレスにも気付いてくれる。とても大切な親友だ。