「あいちゃんだって、まだまだこれからでしょう」
友だちが、結婚すると言いました。3年前から同棲していて、周囲から「結婚はいつ?」なんて囃したてられていた1つ年上の友だち。
おめでとう、いいなあ、いいなあ。感想を述べると、そう言われました。
まあ、うん、そうなんだけどね。
「恋のためのステップ」を丁寧に踏むうちに、気づいた始まらない理由
26歳独身、彼氏なし。
恋はしたいし、結婚はしたいし、子どもは産みたい。大学時代のキャリア教育授業で書かされたライフプランシートでは、26歳現在、結婚1年目で、再来年に第1子を出産します。実現させるなら、軌道修正が必要です。
お付き合いの経験は人並みにあるし、職業柄、出会いも多いほうです。最近では「選り好みしているだけだ」なんて嗜められるようになって、結婚適齢期の訪れを感じます。
同じく彼氏のいない友だちとの話題は、結婚猶予のカウントダウン。恋にならなかった恋のカケラみたいな話に花を咲かせて、お酒で流し込みます。
出会いの幅を広げようと、マッチングアプリに登録しました。陳列棚に並ぶ商品のように、ズラリと並んだ顔、顔、顔。ドライブやら映画やら音楽やらの趣味に、身長、年齢、職業、年収。メッセージをして電話をして直接会って、そうして「恋のためのステップ」を丁寧に丁寧に踏むうちに、なんとなく気付きました。
わたしの、恋が始まらない理由。
いつでも恋は二の次だから、別れも夢中になる他のものが忘れさせた
「どうしても会いたくなっちゃって、バイト終わりの深夜に2時間車を走らせたり」
結婚すると言った友だちの馴れ初めを聞いていると、深く納得します。
わたしは、バイト終わりの深夜は明日のために眠りたいし、2時間車を走らせるならあらかじめ約束しておきたいと思います。暮らしの優先順位において、恋のために割く時間は、1番ではないのです。
「なんとなく」で恋をしてきた26年間。サークルやら仕事やら趣味やら、暮らしのなかには常にわたしを夢中にさせるものがあって、それはいつでも恋ではありませんでした。
そんな調子だから「なんとなく」別れがあって、「仕方ない」と乗り越えました。別れはもちろん寂しいけれど、夢中になるものがいつの間にか忘れさせました。
恋はしたいし、結婚はしたいし、子どもは産みたい。
でもそれと同じくらい、自分のやりたいことをしたいし、自立したいし、楽しいことだけして暮らしたい。わたしにとって、いつでも恋は二の次なのです。
そして、26歳独身彼氏なし会社員のわたしは、現在、独立に向けて準備をしています。
恋をしたくないわけじゃない。やりたいことをするわたしが楽しい
多分これが、わたしの恋が始まらない理由。
当分、始まりそうにもありません。
他人は、「夢中になれる人が現れていないだけ」とか「選り好みしている」とか「まだまだこれから」とか言います。まあ、うん、そうなんでしょう。わたしだって恋をしたくないと言っているわけではないのですから、じゃあ、恋をさせてくれよと思います。
でも、始まらないのです。仕方ないでしょう。
これは、結婚適齢期が訪れた独身彼氏なし女の強がりか、はたまた、人生を転換させる女の覚悟か。いずれにせよ、わたしが「楽しい」と言っているのです、他人がごちゃごちゃ口出しせずともよろしい。
恋が始まらない理由を探して、出会いを模索し結婚に固執していたわたしは、もういません。