「生理前にはPMSというものがあって、生理が始まる前から頭痛や腹痛、眠気、食欲、イライラしたり情緒不安定になったり。生理期間と合わせて10日間ほどは苦しむことになります」とこんなに重要なことをなぜ、学校で教えてもらえなかったのか。

10代は生理が来ようがケロッとしてた私も、20代も半ばに差し掛かると、PMSや生理不順とさまざまな生理問題に振り回されるようになった。

眠くてだるくて…生理がこんなにつらいなんて、誰も教えてくれなかった

人生で初めてできた彼氏と、初めての誕生日デート。いいホテルとってもらって、人生で一番楽しみにしてた週末に、狙っていたかのように予定より早くやってきた生理。「生理になっちゃった、ごめん」と半泣きの私の頭を撫でて、「体調大丈夫?」と微笑む彼氏に救われた。

仕事ではすぐにイライラして周りにあたってしまうし、眠くてだるくて何にも集中できない。ハリネズミの如く、近寄ると危険な状態。できることなら「生理だから近づかないでください!!!」って大声で主張したい。でも、生理は性的なこと。“隠”の風潮。弁解もできない。

本当にうんざり。女ってだけで。女に生まれただけなのに、なんでこんなに身体も心も振り回されないといけないのか? そもそもPMSって何よ?

いつからか生理前から調子が悪くなるようになって、おかしいなって思って自分で調べて初めて知ったよ。そして、とうとう生理以外でも出血するようになってしまった。

生理じゃない時期に出血するようになり、ピルを服用するようになった

生理と生理前で、そもそも1ヶ月の3分の1はコンディション不調なのに、全然関係ない時期に出血を起こすようになった。ググってみたら、どうやら“排卵出血”というらしい。出血だけでなく、排卵痛もしっかりある。勘弁してくれよ~。いよいよ一月の半分、生理に悩まされるところまで追い込まれてしまった。

そもそも本当に排卵出血なのかもわからない。何か病気かもしれないと怖くなってとりあえず婦人科に行くと、「排卵出血ですね。あんまり毎月続くようならピル飲んでみますか」と言われた。

ピルって生理不順の人が飲むやつじゃないの? 排卵出血に効くの? 値段高いんじゃない?そんな疑問を先生にぶつけたところ、 「ピルは排卵を止めるのでホルモンバランスも整いますよ。月経困難症の治療なので保険適用で月1,000円ほどで服用できます」と教えてもらえたので、ピルを服用することにした。

服用し始めて、最初こそ副作用の不正出血が続いたものの、2~3ヶ月もすればすっかり止まり、排卵期の出血もなくなった。それどころか、生理前の頭痛や腹痛、眠気、食欲、イライラ、情緒不安定になる、これが全部なくなった。いつ生理が来るかもわかるし、生理中の出血量も生理痛もこれまでとは比にならないほど軽減した。

「こんなに素敵なこと、なんで学校で教えてくれなかったの!?」やっぱりこの結論に至る。こんなにいいことだらけなのに、服用するまで知らなかった。ピルを服用したときには、すでに26歳。もっと早く知ってれば、デートだって仕事だって、もっと早くから快適に楽しめたのに。

生理に苦しんだ末、病院に行って初めてピルの効能を知るなんてあまりにも遅すぎる。今この瞬間にも、ピルに救われるべき女性がこの世にはたくさんいるはずだ。

「生理の仕組み」を表面的に伝えるだけの教育で終わらせないでほしい

生理についての正しい知識を、10代のうちにきちんと教育してもらえる世の中になってほしいと思う。生理の仕組みを表面的に伝えるだけの教育で終わらせないでほしい。

10代で、すでに生理に悩まされている子だっている。今は大丈夫でも、20代、30代と歳をとるにつれて、女性であれば一度は生理と向き合わなければいけない日が来るはずだ。

生理はどうして起こるのか。どんな症状があるのか。何がつらいのか。なんでつらいのか。ピルの役目は避妊だけでない。正しく使えば子宮内膜症などの婦人科系疾患の予防にだってなる。生理との付き合い方、パートナーともきちんと話し合おう。もっというと、生理について教育されるべきはなのは、女性だけではないはずだ。社会で共存する以上、男性だって知っておいた方がきっとお互い生きやすい。

最終的には、生理は“隠”のものではなく、もっとオープンに語られるようになってほしい。そうすれば、生理の知識も対処法ももっともっと広まって、生理に振り回される女性を減らすことができるかもしれない。

生理=つらいものでなくなる日が、いつか来ますように。