今まで生理について誰とも話したことがない人は、かなり少ないと思う。
でも、話した回数はそれほど多くもないと思う。私もそんなに多くない。
話題が何となく生理のことになれば、みんな結構明け透けに話してくれる印象があるけど、そもそもそういう機会が滅多にない。

友人、知人、親などと話していると、普段は涼しい顔をしていながら、実はみんな裏ではそれぞれ大変な思いをしているのだと思い知らされる。

季節的に不正出血が起こる期間があってその頃は数か月間ナプキンを手放せないだとか、経血量が多くてタンポンが抜け落ちるとか、立ち眩みで朝礼中に失神して倒れたとか、1日目、2日目はつらくて学校を休んでいたとか、生理で日常生活に支障を来している人のなんと多いことか。

私の生理もちょっとおかしいかもしれない。苦手な婦人科を受診した

いろいろな人とときどき生理について話す中で、自分の生理も案外ちょっとおかしいのかもしれないと気付いたのは、二十歳を過ぎた頃だった。

半年以上まともな生理が来ないのが当たり前であること、不正出血が平気で3カ月以上続くこと、生理の1日目から3日目は鎮痛薬が欠かせないこと(それでもときどき波のようにやって来る腹痛は、顔を歪めるほどしんどいのだが)などなど。

大学生のとき、前触れもなくやって来た生理のためにナプキンを保健室でもらった際に、医師から学校の近くにあった産婦人科医院の招待状をもらって、婦人科で診てもらうことになった。

婦人科に苦手意識のある人は少なくないと思う。私もそうだった。
ピンク色で柔らかい雰囲気の内装は、ここは自分の居場所ではないと感じる。(検査のためとはいえ)人の股をおっぴろげにする拷問のような機械もある。婦人科病院の前で嫌がらせをする人もいると聞く。

それでも私は婦人科に行ってよかったと思っている。婦人科に行ってQOL(=生活の質)が爆上がりしたからだ。

ピルを飲んで28日周期に。余裕を持って生理を迎えられるようになった

婦人科での診察にて、私はれっきとした月経困難症であることが分かった。いくつか薬を試したのち、現在は低用量ピルを服用している。服用し始めてかれこれ5年ほどになる。

ピルを飲み始めの頃は不満の方が大きかった。元々生理の回数が少なかったのに、きっちり28日周期でやって来るようになってしまった。

私の場合、薬の処方は保険適用外なので安月給の私には薬の値段が高すぎる。それでも回数を重ねるにつれて、それらを上回るメリットを感じられるようになった。

たとえば以前は、生理がいつ来るか、いつ終わるのか不透明だった。でもピルによって日数をほぼ正確に予想できるようになって、スケジュール管理や心構えができるようになった。

特にスケジュール管理は結構大切で、「この日はちょっとつらいだろうから、仕事が集中しないようにしよう」などと調整しやすくなる。生理用品が手元にないということも回避しやすい。

心構えも案外大事で、突然生理がやって来ると精神的ショックが大きいが、「この日にはやって来るのだ」と分かっていれば、いざその日になって生理が来ても「はい来ました~」と余裕を持って迎えられる。

つらいまま我慢する必要はない。生理に対処して快適な生活を

何より、薬を服用して生理のしんどさが圧倒的に軽くなった。ちょっとお腹が痛いかもしれないと思ったら鎮痛薬を服用しておけば、生理以外の日とほとんど変わらず過ごせる。

少なくとも、前のように周期的に押し寄せる痛みで顔をしかめることも、布団の中でうずくまって一日を過ごすことも、お腹をずっと擦り続けることも、もうない。

経血量も少なくなった。不意にどっと経血が溢れてヒヤリとすることは、もう何年も経験していない。生理4日目頃に親指の第1関節ほどの血の塊のようなグロテスクなものが排出されることもなくなった。立ち眩みもしなくなった。

「あの人の方が私よりしんどそうだし、自分はまだ耐えられる」などと我慢せずに、生理がつらいと少しでも思う人はぜひ婦人科に行ってみることをお勧めする。

つらいことをつらいまま耐え抜こうとする必要はまったくない。
ちゃんと生理に対処して、快適な生活を送ろうではないか。