2020年4月。日々のニュースがコロナで埋め尽くされている頃、私と夫は噂のコロナにかかった。
彼と私はコロナにかかった。先の見えない隔離生活が始まった
当時の私たちはまだ、夫婦ではなくてカップル。
「そろそろ同棲しようか」なんてウキウキしながら準備をしていた頃、コロナにかかった。
コロナ陽性の結果が出て、先の見えない隔離生活が始まった。
未知のウイルスに対し、不安と恐怖に襲われる私。そんな私とは対照的に、彼は前向きだった。
「同棲を始める前に予行練習ができて良かったね」って。いや、ポジティブすぎない?
役所からの体調確認の電話に対応し、体温を測って、味のしないごはんを食べて、症状に合った薬を飲み、しんどくなったら寝る。作業をこなす毎日。体調悪い時って人肌恋しくなるし、1人だったら確実に耐えられなかっただろう。
コロナ以外にも、私自身に不安な部分があった。
私は家族や恋人だとしても一定距離を保ちたいタイプだ。体調崩して独りになりたくないくせに、1人の時間も絶対必要で、って物凄くわがままでめんどくさい女だよね。
自己分析の結果、狭い家でずっと2人で過ごすなんて考えられなかった。ずっと同じ空間にいて、私のダメな部分を見せた時の彼の反応を見るのも、彼の嫌な部分を見て全てを受け入れられる自信もなかった。
つまり私は、腹が括れずビビっていた。
ウダウダ考えたところで隔離生活は3週間あるわけで、いつの間にか「コロナのやつ、私を試しているな」って思い始めた。
試されているなら、立ち向かうしかない。私って単純やつだな。
どこまでもポジティブな彼。隔離生活で彼のことが何倍も好きになった
コロナの症状自体は、とても辛かった。未知なるウイルスだもん。
でも、この隔離生活がなかったら、私たちは結婚に踏み切れなかったと思う。
もし、私たちが遠距離恋愛だったら、もう終わっていたと思う。自分の身を危険に晒してまで会いたいと思わなかっただろう。
もし、私たちが同時ではなく、片方だけがコロナにかかっていたら、結婚には踏み切れなかったと思う。普通の風邪と違って看病もできなくて、会えなくて、って自分の無力さを痛感するだろう。
結果的には、彼のポジティブさに救われ、3週間の隔離生活を乗り切れた。
ありのままの私で過ごした隔離生活。
私たちは波長があっているのか、何の違和感も無かった。同じ空間にいるけど、それぞれ自分の好きな事をして、無言の時間も心地よくて、まさに私が思い描いていた理想の姿だった。
彼は自分も体調が悪くて余裕がないはずなのに、私を気に掛けてくれたり、コロナが治ってからの事を一緒に考えたり、どこまでもポジティブな人だった。
どんな状況でもポジティブに考えるって結構難しいと思うけど、彼は平然とやってのけた。
不安を抱いてビビっていたのが馬鹿馬鹿しい。隔離生活の前より、彼のことが何倍も好きになったし、結婚に対する不安も無くなった。
結婚はタイミング。未知のウイルスに打ち勝った私たち、無敵でしょ
結婚はタイミングってよく言うけど、それは本当だと思う。
いくら好きでも結婚に至らないことだって多いし。仕事や家族関係など、色んな邪魔が入ることもある。好きという気持ちだけではどうもできない時もある。
それに比べたら同棲を始める予行練習できるなんて不幸中の幸いだし、タイミングが良すぎる。コロナも空気読んだのかな?
あれから1年。私たちは結婚した。
コロナに対し、結婚前に予行練習させてくれてありがとうって言いたい。
これから何があるか分からないけど、私たちは乗り越えられると思う。
だって、未知のウイルスに打ち勝った私たちだよ?無敵でしょ。